松本人志

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 あっという間に「すべらない話」は、「蒸し返されたくない話」になってしまった──。ダウンタウン・松本人志の性加害疑惑で芸人とテレビ業界は、バラエティ番組で過去に放送された“女性が絡んだエピソードトーク”の掘り起こしに、戦々恐々なのだという。

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 合コン、飲み会、ナンパを扱った芸人のトークネタは、オンエア当時なら視聴者は屈託なく笑ってくれた。ところが、松本の疑惑が報道された後に見返すと、まるで“性加害の証拠”のように思えてしまうのだ。

 SNSで話題になっているだけでなく、日刊ゲンダイDIGITALやFRIDAY DIGITALといったメディアも記事を配信している。担当記者が言う。

松本人志

「『人志松本のすべらない話』(フジテレビ系列)は2015年2月、福岡市で公開収録イベントを開きました。その際、博多華丸・大吉の博多大吉さんが、『先輩芸人を接待するため、女の子のブッキングも行っていた』との思い出話を披露したのです。松本さんが初めて福岡を訪れた際も『女の子をちゃんと用意するように』と命じられたそうです。大吉さんは『松本さんの飲み会だから、余裕で女性は集まるだろう』と思っていたら、意外な反応に驚いたと明かしました」

 いわゆる“松本軍団”が全国で開いていた飲み会の悪評が、何と福岡にも届いていたのだ。大吉が女性たちに声をかけると、片っ端から「何をされるのか分からない」「笑いよりも後に与えられる暴力のほうが上回る」などと断ってきたという。

神経を尖らせるテレビ局

「最終的には50人を超える女性が参加し、松本さんはサービス精神を発揮。ただし、飲み代が高額なものになり、支払いは今田耕司さんと割り勘にしたというオチで終わりました。オンエア時なら笑っただけだったと思いますが、このトークの内容を改めて振り返ると、女性らが耳にしていた悪評が、まるで性加害の“傍証”のように感じられます。実際、Xでは『大吉さんが自白した』とか『文春の報道が事実だと分かった』という投稿が目立っています」(同・記者)

 民放キー局でバラエティ番組を製作しているスタッフは「今、テレビ業界が最も恐れているのは、こうした過去のバラエティ番組での発言を掘り起こしたSNSの投稿やネットメディアの記事です」と言う。

「松本さんの性加害疑惑が報じられてから、『番組の製作現場は対応に追われている』という記事を多数目にしました。これは正確でもあり、間違ってもいます。収録が中止になったり代役を手配したりと騒ぎにはなりました。ただ、収録済みの番組は放送できました。もし放送が中止になったら代替番組を作らなければならなかったので、本当に大変だったでしょう。それよりも頭を抱えているのが“過去の発言の掘り起こし”です。民放キー局などテレビ業界は、この問題に神経を尖らせています」

昔はセーフでも今はアウト

 何しろ掘り起こしの対象は広い。松本本人のエピソードではなくても注目される。例えば、“アテンド役”として文春に報道されたパンクブーブーの黒瀬純の場合、2020年2月放送の「ダウンタウンなう」(フジテレビ系)で、坂上忍が「黒瀬君に頼んだらなんでもできる」「福岡に行ったら黒瀬君が闇のブローカー」と発言していたことが掘り起こされた。

 黒瀬の場合は文春の報道と関係があるが、木村祐一のケースは完全な別件だ。10年に放送された「人志松本のすべらない話」で、千原兄弟の千原ジュニアが木村にアテンドした女性とのトラブルをネタにしたことが再び注目を集めた。

「“拒絶”した女性に木村さんが逆ギレしたという内容で、松本さんは関係ありません。しかし、この話も『お笑いの世界では、こうした性加害が横行している』と受け止められました。オンエア当時は、どのネタも問題ないと判断されていたはずです。大吉さんやジュニアさんは『とんだとばっちりだ』と思っているかもしれません。しかも、大吉さんの場合は松本さんに直結していますから、内申穏やかではないはずです。ただし、当時はOKのネタであっても今では嫌悪感を持たれ、世間が『アウト』と判断するのも当然の流れではあります」(同・スタッフ)

「掘り起こしは大迷惑」

 突然、判断基準が180度、変わってしまったわけだ。テレビ業界が慌てるのも無理はない。以前は芸人が語る合コン、飲み会、ナンパなど女性関係のエピソードは、むしろ鉄板ネタですらあった。

「松本さんに関する報道により、『芸人が面白おかしく合コンや女性との飲み会を語る』こと自体が悪いイメージを持たれるようになってしまいました。場合によっては“性加害”と批判されますから、芸人さんにとって掘り起こしは大迷惑というのが本音でしょう。また、『自分もアテンドしたが、これも週刊誌に報じられるかもしれない』と恐れている芸人さんもいると思います。テレビ業界も、そうした状況に陥った芸人さんには何らかの対処が必要になってきます。最悪の場合、出演の取りやめに発展しないとも限りません。芸人さんだけでなくバラエティ番組のスタッフも戦々恐々としている理由です」(同・スタッフ)

デイリー新潮編集部