年齢を重ねたら、住まいや人間関係など、暮らしや生き方をシンプルにして自分らしく生きていきたい、と考えている人が増えています。ここでは、60代で埼玉と神奈川県・茅ヶ崎で2拠点生活を始め、自分らしい暮らしを送るデザイナーの山中とみこさん(69歳)にお話を伺いました。

おしゃれは自分の軸を決めてシンプルに

服づくりの仕事を始めたのは、40代になってから。でも「こうなりたい」という理想は常にあったと言います。

【写真】色別に並べられたハンガーラック

●洋服を仕事にしたのは40代を過ぎてから。あこがれはいつも抱き続けて

「なりたい自分や暮らしを妄想するのが得意で(笑)。おかげで紆余曲折を経て“今”にたどりつけた気がします」

年齢を重ねておしゃれもますますシンプルになりながらも、敬愛するデザイナー・川久保玲さんのブランド「コム・デ・ギャルソン」の服は、毎年少しずつ買いたしています。

「なりたい自分のために“背伸び”をするのも大切なことだと思っています」

●洋服はベーシックカラーが定番

ワードローブはおもに白と黒。ハンガーラックに色別に並べています。「ボトムスはシンプルなものが中心。トップスで変化をつければ普段着にも、お出かけにも対応できます」

●体も顔も食器も…固形石けんをカットして使用

以前から着色料や香料、防腐剤不使用の「マルセイユ石けん」を愛用。カットしてシンク横にも置き、器の油汚れを落とすのにも使います。「ストックの手間とスペースを減らすため、できるだけ兼用に」

●スニーカーも白いレザーならおしゃれ着にも

2色持っている「ウズラ」の革のスニーカー。「初めに黒を買って、長く歩いても疲れないので、昨年、白を買いました。白は服を選ばないし、レザー素材なのできちんとした場にも使えます」

●アクセサリーはギャップを生む素材で

「天然素材の服に、つるっとしたプラスチックや金属などの指輪をつけるのが好き。正反対の素材を合わせることで私らしさが出ると思います」。黒い指輪はオーダーしてつくったべっ甲製。