年齢を重ねると気になってくる「実家の片づけ」問題。70代の母が介護施設に入所したことで実家があき家になった、ライフオーガナイザーの尾花美奈子さんの実体験を伺いました。

実家の片づけで処分に困ったもの、逆に困らなかったもの

ひとり暮らしをしていた母が施設に入所。整理上手な母でしたが、あき家となった実家を片づけた際に、娘である私が処分に苦労したものがいろいろありました。その中でとくに苦労したものをまとめてみました。

【写真】処分に苦労した「布」

●処分に苦労したもの:調理器具

食器同様にキッチンで場所をとっていたのが調理器具で、他界した父と暮らしていた頃だったとしても数が多い。大きすぎる鍋もありました。

ただ、そのほとんどが軽いアルミ製で、重ねてコンパクトにもできたので、処分は1位〜3位のものほど大変ではありませんでした。

●処分に苦労したもの:タオル、ハンカチ

未使用のタオルとハンカチがたくさんあり、そのほとんどがお返しでいただいた品でした。
これらはラップやトイレットペーパーといった日用品のように短期間で消費するものではないので、自分で使うとなると使いきるまでに何年もかかってしまいます。
そもそも自分の好みではなく、使う気が起きなかったので寄付に回しました。

●番外編・意外にも処分に苦労しなかったもの:ラップ、保存袋、トイレットペーパー、紙袋

ラップ、保存袋、トイレットペーパーは大抵の家庭でストックが多めにあるかと思います。実家の母も災害時の備えも兼ねて、たとえばトイレットペーパーなら使いかけ以外に12ロール入りを2パックなど、ひとり暮らしにしては多く持っていました。
これらはありがたいことに、施設で使ってくれることになりました。

一見その量から処分に苦労しそうな物でも、消費が早かったりほかに需要が高いものは、すぐになくすことができました。

また、紙袋は不用品を分類するのに活用したので、意外にもすんなりと使いきることができました。

●実家の片づけを振り返って

実家の片づけは心身ともに削られる作業でしたが、やり終えた今振り返ると、今後の自分の住まい方や生き方にプラスとなる学びもありました。

「もったいない」と言ってものを大事にとっておくことはいいことだと必ずしも言いきれず、手放すことで未来が明るくなることもあると改めて気づかされました。

皆様にとっても学びとなることが少しでもあれば幸いです。