ライブ中盤戦のMCでは、谷口が「1年前の私たちは何をしていたんだろうと調べたら、みんなで『BAN』のフルサイズを練習していた頃で。あの頃は1曲でさえ大変だったのに、この『新参者』ではいろんな先輩方の曲をやらせていただいたりして、自分の中でも成長したなと思うことがあります」をここまでの道のりを振り返る。また、向井純葉は毎公演後のミーティングについて触れ、「私は毎公演(の映像を)観ることで、個々の良さも伸びていると思うし、何より三期生全体のパフォーマンスから伝わるものが、どんどん大きくなっているなと思って。これからもっともっと頑張って、みんなでいろんないろんな三期生を見せていけたらいいなと思いました」と前向きなコメントを寄せた。

そして、村山の「『新参者』最終公演。最後まで、力尽きるまで駆け抜けます」の言葉に続いて披露されたのは、三期生のオリジナル曲『静寂の暴力』。客席からペンライトの明かりが消えて静まり返る中、三期生11人は全身全霊のパフォーマンスでBuddiesたちを圧倒させる。センターの山下を中心に、叫びにも似た歌とメッセージを届ける姿に、客席から惜しみない拍手が送られると、続く『流れ弾』で空気は一変。ここでは遠藤が堂々とセンターを務め、先輩たちのパフォーマンスにも負けず劣らずのアグレッシブさで、オーディエンスを魅了する。さらに、研修時代から続けてパフォーマンスしてきた『BAN』では、披露するたびにダンスの完成度が向上していることも伝わり、心の底から湧き上がる感情を吐き出すセンター石森のみならず、メンバー全員から自身の限界を突破しようとする思いが伝わってきた。

本編最後の楽曲に入る前、メンバーを代表して小島が深々とお辞儀すると、「先輩方が築き上げてくださっている櫻坂46という美しい歴史。今度は私たちの番です。自分には何ができるのだろうか。私たち三期生には何ができるのだろうか。そのことを一途に、大切に思い続けて、私たち三期生11人は大切なこの場所で、しっかりと根を張って、大好きな先輩方と、大好きなBuddiesの皆さんと、この“櫻の木”を守っていくことを、ここに誓います」と宣言し、最新の三期生楽曲『マモリビト』を全力で披露。彼女たちが今持てるすべての力が込められた歌とダンスに、きっと会場や画面越しで見守るBuddiesは心を鷲掴みにされたのではないだろうか。

気持ちがたっぷり込められたパフォーマンスを終えると、感極まった小島が「『新参者』を三期生だけでやらせていただくと初めて聞いたときは、今の実力でこの会場を埋められるのか、三期生が櫻坂46の名を背負ってこの会場を任せられるとファンの皆さんに思ってもらえるのか、不安や心配もありました」とここまでの心境を吐露。続けて、「でも、もし私たちの誰かひとりが欠けてしまったり傷だらけになってしまったら、一緒に手を取り合おうということで、『Everyday smile』、毎日笑顔で楽しくいようということを掲げてきました」と笑顔でここまで走り抜けられたことに喜びをにじませつつ、Buddiesへの感謝を告げてライブ本編を終えた。

『Buddies』からアンコールが始まると、中嶋を中心とした11人は眩しい笑顔とともにポジティブな空気を届ける。そして、再び観てくれた人たちへの感謝を伝えると、最後は『櫻坂の詩』で千秋楽公演をしっとりと締めくくった。が、本来はここで終了するはずだった『新参者』櫻坂46三期生公演だが、会場のBuddiesからの「櫻坂 三期生」コールは鳴り止むことはなかった。

すると、ステージ上に見覚えのある衣装を着た三期生が再登場。照明が当たると、欅坂46時代の初期衣装を身にまとった11人が姿を現し、客席からどよめきの声が上がる。先頭に立つ村山は「先日のZOZOマリンスタジアムの『ANNIVERSARY LIVE』で土生瑞穂さんが卒業されました。そして先日、小林由依さんが卒業を発表れました。私たち三期生が気持ちを込めて、先輩たちが大切にしてきたものを引き継いでいきます」と涙ながらに宣言すると、ダブルアンコールとして欅坂46時代の楽曲「語るなら未来を…」をサプライズで披露。櫻坂46に改名後は一度も披露されていないこの曲を、これまで一度も欅坂46の楽曲をパフォーマンスしていない三期生が、オリジナル当時の衣装を着て披露することに、彼女たちが“櫻の木”のみならず“欅の木”までをも守っていこうとする強い覚悟が伝わってきた。すべての力を振り絞ってこの曲に臨むその姿に、客席からは惜しみない拍手と声援が送られ、全10公演にわたる『新参者』櫻坂46三期生公演はすべて終了した。