年齢を重ねたからこそ、これまでよりも自分らしく明るく生きていきたいもの。「自分で自分を楽しませられるようになると、世界が広がるし楽しくなります」と話すのは、ヘア&メイクアップアーティストとして活躍する山本浩未さん。

60歳を迎える山本さんの、いくつになっても前向きに生きるためのアイデアを、新刊『60歳ひとりぐらし 毎日楽しい理由』(小学館)よりご紹介します。

60歳、山本浩未さん。「必要なのは『客観的に自分を見る』ことでした」

ラクに生きるためには、「自分というキャラをつくるといい」と話す山本さん。

●自分というキャラをつくるとラクになる

自分を認めてあげて、愛したり慈しんだりしていると、なんとなく自分のよさや個性がわかってきます。もちろん欠点も一緒にね。そこで見つけた、自分っていう“素材”を自分でプロデュースしていくんです。「自己プロデュースなんて」って思うかもしれないけれど、とりあえず、やってみて。

私も自分というキャラができてから、生きるのがラクになったから。試行錯誤を重ねたけど、必要なのは「客観的に自分を見る」これでした!

かつては、“すてきな大人の女性”っていったら、ベージュトーンの服をさらっと着こなして、シミやシワさえ魅力になってるイタリアンマダム…なんてあこがれてたときもありました。でも、自分の体形や顔立ち、ライフスタイルを考えると、現実的じゃないと気づいたのです。

やっぱり自分のキャラを活かすしかない! なら自分のいい所を見つけるしかないんだって。自分という軸で、いろんな髪形に挑戦したり、いろんな色やデザインの服を楽しむようになったんです。もちろん周囲の意見も聞きながらね。私、黒柳徹子さんみたいでいたいと思ってます。徹子さんみたいに好奇心をもって行動して。おもしろがって生きていく、ってキャラを決めたので、これからも迷わず楽しもうと思います。

●小さなクヨクヨを消す私のコツ

自分のキャラをつくるためには、自分を客観的に俯瞰で見ることが必要だとお話ししました。この「客観視」っていうのが、自分を知るためだけじゃなく、いろいろな課題解決になると思っています。

年を取るほど、思い込みって強くなりますよね。思い込みからの失敗は日常茶飯事。待ち合わせの場所や時間を勝手に思い込んで失敗するとか、やったつもり、置いたつもり…つもりが多すぎる。「確認する、メモをとる」ってそのたびに反省するんですけどね。難しい…。

自分に対する思い込みというのも多いですよね。“○○は絶対に似合わない”って思い込んでいたけれど、着てみたら案外似合ってた、とかありませんか!? 思い込みで、自分の可能性を狭めていたり、必要ないことを悩んだりするのって、時間のムダ、人生のムダ! それでなくても視野が狭くなってるからね。意識して「客観的に見る」が必要だと思ってます。

自分の視点だけではなくいろんな立場に立ってものを見たり、大きな時間の流れの中でものごとをとらえている人は、小さなことでクヨクヨしない、ポジティブです。冷静にものごとに対処できるからでしょうね。あこがれます。

私も、小さなことでクヨクヨしちゃうこともしょっちゅうですが、「客観視」と自分に呪文のように言い聞かせて、のり越えているんですよ。