持続可能な社会をつくるための「SDGs」。2030年までの達成をゴールとした「持続的な開発目標」を指し、世界的に注目されています。一見難しそうに感じますが、じつは私たちの暮らしのなかに取り入れられることがたくさんあります。

今回のテーマは「地球に優しい荷物の受け取り方」について。SDGsに詳しいフジテレビの木幡美子さんに教えてもらいました。

人と地球に優しい「宅配便」の受け取り方を考えよう

荷物の再配達が来るから、早く帰らなきゃ! と急いで帰宅したものの、再びポストに不在通知が…なんてことありませんか? 「ドライバーの方、ごめんなさい」と心の中で謝りながら、仕方なくもう一度再配達を依頼するときの罪悪感。

私自身、コロナ禍は家にいることが多く、宅配便や郵便物もすんなり受け取れましたが、最近は元の生活に戻って日中は不在になることが多くなりました。

●荷物の配送で出るCO2の量は…

日本で1年間にどのくらいの宅配便の件数があるのかと調べてみると、なんと2022年は50億588万個(国土交通省調べ)で、過去最高だったそうです。コロナ後も増え続けているんですね。

ネットショッピングはとても便利ですが、50億個の荷物の99.9%がトラック輸送とのことで、配送の際に出るCO2(二酸化炭素)はかなりのものです。

受け取る人がいないと持ち帰りますので、再配達によって温暖化の原因となるCO2排出量がどんどん増えてしまうのです。環境省によると再配達が出すCO2は年間42万トンで、体積にすると東京ドーム170杯分とか!

●「置き配」「ポスト投函」の活用でストレスが減る!

とはいえ、午前・午後〇時〜〇時などと設定していても、その時間帯のうちの早い時間なのか、遅い時間なのかわからない。来るまで家を出られず行動を制限される「宅配待ち」は結構なストレスにもなります。

でも、そのストレスを解消できる方法がいくつかあるのです。

ひとつは、玄関先やガレージなど指定した場所においてくれる「置き配」や「ポストへの投函」。

コロナ禍で進んだサービスで、以前お伝えしたように韓国では、玄関先に置いた専用ケースに商品を入れてくれるので、宅配のために家にいる必要はありません。私も「置き配」や「ポスト投函」を可能な限りお願いしていますが、とくに問題が起きたことはありません。

●拡充中の「ロッカー受け取り」サービスも要チェック!

そのほか、自宅ではない場所で受け取れるサービスも拡充しています。大きさや保管期間、数などに制限はありますが、コンビニや駅などに設けられた専用のボックスで受け取れるのはありがたいです。

自宅にはいないけど、早く欲しい! という場合など、勤務先のそばや、通勤途中で受け取れますのでぜひお試しください。

PUDO(プドー)は、Pick Up&Drop Off の頭文字をとったもので、24時間都合のよいタイミングで宅急便の「受け取り」や「発送」することができるサービスです。ヤマト運輸や佐川急便、日本郵便などとも連携していて、荷物を自分の好きな場所で受け取れます。なにより設置場所が多く、コンビニやドラッグストアにもあって便利ですね。(大きさや受け取り期間に制限はありますのでご注意ください)

ほかにも日本郵便がやっている「はこぽす」というサービスがあったり、楽天市場で購入した商品もさまざまな受け取り方法を選択できるようになっています。

 

●「受取先」「受取方法」を考えることで、ハッピーが増える

再配達をなくすと、環境にいいだけではなく、じつはもうひとついいことがあるのです。

それは、1個ずつ荷物を丁寧に運んでくれるドライバーさんたちの長時間労働の解消です。以前から何度も何度も自宅に来てもらうのは本当に申し訳ないと思っていました。

でも今回ご紹介したようなサービスを知ってからは、配送先を選択する際、「いつものお届け先」として登録されている自宅を選びそうになりますが、ちょっと待った! 本当に受け取れるかな…もっと効率的に受け取る方法はないかな、と考えてみるようになりました。

再配達を減らして、商品をスムーズに受け取れる方法を選択する。
それが、人にも環境にもやさしい社会につながるのです。みなさんもぜひ活用してみてはいかがでしょうか。