多種多様なジャンルの物語が展開されている秋ドラマ。その中で注目を集めている作品のひとつが、『セクシー田中さん』(日本テレビ系・日曜22時半〜)です。現在は第4話まで放送されていますが、過去の回はTVerやHuluにて配信中です。ここでは、1話〜4話までの見どころを振り返ります。

田中さんの生き方が、迷う女性のひとつのヒントに?『セクシー田中さん』を振り返り!

主演は木南晴夏さん、原作は芦原妃名子さんによる同名マンガ。

主人公である経理部の「田中さん」は、地味で友だちも恋人もいないアラフォーOL。でも、その姿はどこか凛としていて美しさがあります。じつは、セクシーなベリーダンサー・Saliという、もうひとつの顔をもっていたのです。

そんな田中さんの秘密に気がついたのが、同じ会社で働く派遣OLの倉橋朱里(生見愛瑠さん)。愛され女子ですが、「だれかから本当に好かれたことがない」と思っており、どこかむなしさを感じる日々。「私には“若くてかわいい”しか市場価値がない」と焦り、合コンに明け暮れていました。

しかし、田中さんの秘密を知り、その生き方に憧れるように。田中さんと同じベリーダンス教室に通い、これまでの自分を少しずつ変えていきます。そして、変化が生まれたのは田中さんも一緒。朱里と過ごすことで、今までとは違う世界に目を向けるようになり…。

●個性豊かなキャラクターたちが続々と登場

田中さんと朱里の関係性はもちろん、二人を取り巻く個性豊かな登場人物たちも見どころです。

ペルシャ料理店「Sabalan」のマスターで、田中さんがベリーダンスにハマるきっかけをつくった三好圭人を安田顕さん。女性に対する偏見にまみれ、ナチュラルに失礼なことを言ってしまう笙野浩介を毎熊克哉さん。

さらには、笙野の友人で朱里にゾッコンな小西一紀を前田公輝さん、学生時代から朱里の友人の仲原進吾を川村壱馬さんが演じます。

タイプが違う男性たちの存在が、田中さんや朱里の心を乱していきます。そして、新たな発見をするきっかけになることも。

●価値観が変わっていく登場人物たちに注目

個人的に注目したいのは田中さんによって、それまでもっていた概念を壊されていく笙野の変化です。

最初はベリーダンスをする田中さんに向かって、「破廉恥」だの「男に媚びを売ってる」だの「おばさんがイタイ」だの、とにかく言いたい放題だった笙野。それでも田中さんの考え方に触れて、少しずつ自分の価値観を変革していきます。

見た目や年齢で女性を判断する、いわゆる「古いタイプ」の笙野に対してどのような感想を抱くかも、観る側によって変わってきそうです。

なぜ、田中さんはベリーダンスを踊るのか。それは、正解の形がないというベリーダンスが、田中さんが目指す生き方に通じるところがあるからかもしれません。

「正解の形がないから迷うんです」

「こうありたい正解を選び取るしかない」

「私は自分の頭で考えて、しっかり地に足をつけて生きていきたかった」

余談ですが、恋人がいたことがないという田中さんの理想の男性は、マンガ「ときめきトゥナイト」の真壁俊だそう。真壁くんを知っている方は思わず「ああ…」と声を漏らしてしまったのでは? 果たして現実世界に「真壁くん」はいるのでしょうか。とりあえず筆者は会ったことがありません…。

第4話では、笙野と田中さんの間で思いがけない展開がありました。今後、田中さんと男性陣の関係性にも注目していきたいです。