キッチンや浴室の排水口まわり。きれいにしているはずなのに、汚れやにおいが気になる…なんてことはありませんか? その原因は排水管の汚れかもしれません。ここでは、暮らしのプロ・ライフオーガナイザーの高田舞子さんが、汚れを溜めないために日頃から意識していることを教えてもらいました。

キッチンや洗濯機の排水管。日頃の意識で汚れを予防!

暮らしていれば必ず汚れる、水回りの排水管。ひどく汚れてから掃除するのはおっくうなので、日々継続できる小さなポイントを意識しています。

【写真】汚れが付着した洗濯機の排水口

●排水口のフタは外す

新居に引っ越して暮らし始めたその日から、キッチンやお風呂の排水口のフタは外しています。排水口に溜まるゴミはできるだけ見たくないですが、フタがあることで湿気が逃げる場所がないため、汚れやすくカビの原因にも。

キッチンではゴミが一目瞭然なのですぐに取り除くようになりますし、お風呂は掃除の際に髪の毛をさっとティッシュで取り上げるだけ。

最初からフタがないものだと思って生活すれば、それは当たり前の光景になるので、まったく不便はありません。

●キッチンの排水口

洗いもの後に溜まった食べカスは、不要な紙類やビニール袋などにトントン! と取り出しゴミ箱へ。その後、スポンジで排水口をさっと水洗いしています。

ゴミを除くのは毎回。スポンジでの水洗いは毎回とはいいませんが、日に1回はやるようにしています。毎日水で流すだけですが、洗剤でこすらなければならないほど汚れることはありません。

ちなみに、排水口ゴミ袋はつけていません。ゴミ袋があると「溜まってから捨てよう」と無意識にゴミを溜めがちではありませんか? 捨てやすいから袋を使うのかもしれませんが、汚れやすくなるのはごめんです。わたしの優先度は、清潔を保つこと。

●きれいにしている自信があったのに、要注意を宣言された!

先日、マンションの管理組合による排水管洗浄がありました。ベランダの雨水管、室内の排水管を高圧洗浄で通す作業をしてくれます。排水口は毎日きれいにしていると自信があった私ですが、業者さんから「キッチンが半年の割にかなり汚れている」と言われてショックを受けました。

キッチンのシンク下には排水トラップがあります。住宅設備の排水管は複雑になっていて、外からの悪臭や害虫の侵入を防ぐために水を溜めておくトラップが備えられています。

ここに汚れた水が溜まったままだと、排水管に汚れがすぐ蓄積してしまったり、悪臭の原因になったりするのだとか。たとえば、夜にカップ麺のスープを流し、そのまま寝てしまうと冬は一晩でその油分が固まって超危険なのだそう。

そこで、トラップに溜まる水をきれいに保つことが重要になってくるそうです。水回りの中でも、油汚れ、食材カス、洗剤などキッチンは最も汚れた排水が流れる場所。それぞれの成分に合う洗剤を考えるより、夜寝る前に桶に溜めたお湯を一気に流すだけで格段に違うとアドバイスを受けました。お湯のほうが効果的だけれど、水でもいいとのことです。

お風呂の残り湯を洗面器に汲んで流すという作業が、私の寝る前のルーティンになりました。お風呂の残り湯の有効活用です。

●洗濯機の排水口

新居の引き渡し時、「月に一度は掃除したほうがいい」といわれた洗濯機の排水口。え! 一度もメンテナンスしたことない! と思わず叫びました。

工務店担当者によると、洗濯機が故障して排水ができなくなったと思ったら、じつは洗濯機の排水口が汚れでつまっていたというお客様が何人もいるんだとか。

住み始めたのが3月末。ゴールデンウィーク明けの5月初旬に初めて洗濯機の排水口を解体してみると、たしかに! ひと月半ほどなのに、すでに表面がヌルっとしていて、うっすらグレーに汚れていました。

はめ込みのパーツを外し、風呂場で歯ブラシを使って掃除。大ごとのような気がして腰が重い家事に思えますが、作業自体は時間にして5分もあれば終わります。

わが家の洗濯機置き場は既存のままで、元のサイズと同様に新調した洗濯機パンは一般的なサイズよりは大きめです。最初はそれを古く感じましたが、大きいからこそ洗濯機を端に寄せることができ、排水口のメンテナンスが難なくできています。

洗濯機パンの説明書を見てみると、「洗濯機の真下に配水トラップが来る場合は、お手入れしにくいことがありますので、洗濯機の脚の下へあて板などを使用して設置していただくことをおすすめします」とあります。皆さんの家の洗濯機パンも、一度状況を確認してみてくださいね。

●見た目だけでなく、見えない部分を意識する

排水管は私たちでいうと体内のようなもの。どんなにきれいに化粧をしても、歯磨きを怠ると虫歯になりますよね。外観だけをきれいに保つのではなく、見えない部分までを意識することが大事だと感じています。

流れが悪くなったりつまってしまうと、やはりプロを呼ぶしかありません。きれい好きで片づけ上手な友人が、キッチンがつまって業者に出張をお願いした際、料金は4万円以上したそう(業者や状況により異なります)。

集合住宅のわが家は管理会社が排水管洗浄を年に一度設けてくれていますが、一戸建ての場合は自分たちで管理することになります。前述の友人によると、一度サービスを利用した場合は、排水管がつまらないように定期的な予防サービスの設定もあるのだとか。

私たちが健康診断や人間ドックを受けるように、住宅もプロに診断をお任せするのが安心です。大切なマイホーム。片づけやインテリア以上に、住宅そのもののメンテナンスについても一度検討してみることをおすすめします。