洗面所は生活感が出がちな場所。家づくりの段階から使いやすくて、いつもきれいな状態を保てるよう、しっかり検討を。半年前に工務店で注文住宅を建てた日刊住まいライターは、サイズやカウンター下の造作、三面鏡のデザインなどにこだわった結果、納得のいく洗面所を手に入れました。ゲストにも自慢したくなるような洗面所を紹介。

子どもの頃に憧れたレストランの洗面所をイメージ

筆者は夫と子ども2人(小学3年生と6年生)の4人家族。半年前に工務店で延床面積39坪、2階建ての家を建てました。家づくりでは、家族全員が毎日利用する洗面所にも、デザインと機能の両方に気を配りました。

じつは筆者は、洗面所には特別な思い出があります。それは、子どもの頃に行ったレストランの洗面所にまつわるもの。鏡と照明が、とにかくすばらしかったのです。

そんなわけで、新居を建てるにあたっては、洗面所をちょっと「特別感」のある場所にしたいと考えました。

 

洗面所は鏡に生活感が写り込まない場所に

当初の間取りでは、洗面所は脱衣所の近くにある予定でした。その場合、鏡のうしろに洗濯機が写ってしまうことに。

しかし筆者は、生活感が鏡に写り込むことは、絶対に避けたかったのです。

そこで洗面所の位置を変更。上の間取り図のように、リビングとLDKの中間に洗面台を配置する間取りに。洗面所のサイズは、造作で洗面台の幅1680mmとっています。前面のミラーも幅1200mmある、サンワカンパニーのステムズミラーボックスという商品を採用しました。

 

現在、実際に鏡に写り込むのは壁と窓。この窓から、朝は明るい自然光が降り注ぎます。おかげで、電気をつけなくても身支度ができています。

じつはこの窓、当初は曇りガラスにする予定はありませんでした。そうすれば、外にある中庭や周囲の緑を取り込んで、開放感も出たはず。

しかし、家づくりの途中で、外に物干し用のアイアンバーをつけることに。昼間にアイアンバーに洗濯物を干すことがあるため、気にならないよう、曇りガラスに変更したのです。

もし、変更がなければ、もっと気持ちのよい洗面所になっていたはず。そのことが少々悔やまれます。

カウンター下に工夫を。イスに座って化粧もできる

朝の忙しい時間帯でも、子ども2人が同時に支度できるように工夫しました。一方が歯を磨いている間に、もう一方はイスに座って髪の毛を整えることができます。

カウンターは、アイカ工業のスマートサニタリーという商品を採用。サイズやボウル形状、色柄、収納パーツを自由に組み合わせてデザインしました。洗面ボウルはカウンターと一体になったつぎ目の目立たないデザイン。段差がなく掃除もしやすいです。

造作洗面台を検討する際に、イスに座ってメイクするかで迷いました。最終的にカウンターの下は、半分は引き出し収納、もう半分はイスも使えるように取りはずしのできる可動棚に。

現在はイスを置くパターンで使うことが多いです。おかげでこの場所でゆっくりメイクすることができています。将来ものが増えたら、収納として使うことも可能です。

 

三面鏡は使いやすいデザインに。収納もたっぷり!

最初は一枚の大きな鏡に憧れていました。しかし、実家で三面鏡を使ったときに、白髪チェックやメイクが便利だと実感。デザインより実用性を優先させ、三面鏡にしました。

鏡の中にも収納スペースがあるので、化粧品やスキンケア用品、皮膚の薬、歯磨き用品などを整理しやすいです。

三面鏡については、設計の段階で中央の鏡と両サイドの鏡との接合位置を調整しています。というのは、この洗面所のレイアウトにして左右に立つと、目の前に中央と左右の鏡の接合部の線が入ってしまうからです(左右中央に洗面ボウルがある想定なので)。

おかげで、洗面ボウルの前にいても、イスに座ってメイクしていても、接合部の線が作業のジャマにはなりません。

浮かす収納も駆使して掃除をしやすく

ハンドソープやコップを浮かせることで、カウンターがすっきり広く感じられます(写真のコップとフックは100均で見つけました)。

カウンターに置いてあるのは、ふき取り用のクロスのみ。家族は洗面を使ったあと、このクロスでこまめに水をふき取るようにしているので、きれいな状態を保てています。

 

洗面所に「特別感」を演出するタオルバーを設置

タオルバーは施主支給しました。設計段階で位置を検討し、ミラーをあけた際にぶつからないように工務店に取りつけてもらいました。

小物にもこだわったことで、子どもの頃、レストランで経験した洗面所の感動を、筆者の子どもたちにも感じてもらえるようになったと思っています。

ただ、タオルバーの位置について、少し後悔していることも。タオルで手をふいたとき、下に水滴が垂れるのです。原因は、筆者がタオルのサイズをちゃんと想定していなかったから。

タオルバーの位置を少し下に取りつけていれば、手をふく際に今ほど水滴がつかないですんだはず。そんな小さな後悔はありますが、いろいろこだわってつくった造作の洗面所に満足です。