家族仲がよくても、お金持ちでなくても、相続のトラブルは起きてしまうもの。そんな「相続問題」を税理士の橘慶太さんがステップ別にわかりやすく解説。早めの準備がトラブル回避に! 今回は「相続お悩みQ&A」を紹介します。

プロが解決!相続に関するお悩みQ&A

ESSE読者から寄せられたお悩みに橘さんが回答! 気になる相続の疑問を解決してくれました。

●Q:相続税がかからない場合の申告は必要?

A:遺産の総額が基礎控除額以下なら不要

相続財産が基礎控除より少ない場合の申告は不要です。ただし、相続の割合を決めた「遺産分割協議書」は、相続した財産の名義変更のために必ずつくる必要があります。

●Q:親の介護をすれば多く相続できるって本当?

A:介護と相続は別。もめる原因になるので、よく相談して

介護した人が多く相続できる「寄与分」制度がありますが、認められにくいのが現実。介護された人が「介護した人に多く遺す」と遺言書を書く、生前に家族でよく話し合うなど、対策をおすすめします。

●Q:専門家にいきなり相談しても大丈夫?

A:まずは本やYouTubeで基礎を学びましょう

いきなり専門家に頼らず、まずは関連本やYouTubeで知識を蓄えましょう。自分の家族や親せきの家ならどうなるか、身近な例で考えておくと、いざというときに役立ちます。

●Q:家族で相続の話し合いはいつするべき?

A:相続人全員が集まるお正月などがおすすめ

お正月やお盆など、家族全員が集まる機会に話し合うのが理想。親が相続に無関心なら、親子で相続セミナーに参加したり、相続の本を渡したり、話し合うきっかけをつくりましょう。

●Q:遺言書は書いた方がいいの?

A:専門家の立ち合いの下で作成するように

遺言書はトラブル回避に有効ですが、書き方を間違えると無効に。確実なのは専門家が立ち合って作成する「公正証書遺言」。「自筆証書遺言」は法務局に預け、確認してもらうと安心です。

無効になる遺言書の例

・日付が書かれていない
・本人の署名・押印がない
・内容が不明確
・複数人の共同遺言
・ビデオレターや音声