仕事に集中したくて、新居の2階につくったこだわりの書斎。しかし実際に住んでみると、あまり使うことはなく、居心地のいい1階LDKで仕事をする方が快適だ! そう気づいてしまった日刊住まいライター。移動の手間、窓の位置、室内の温度…使い勝手を左右するさまざまなことが原因で、書斎から足が遠のいています。詳しくレポート。

仕事に集中したい!2階の角部屋に3畳の書斎を計画

3年前、30代で戸建てを建てることになった筆者。新居では、隠れ家のようなこもれる書斎で仕事がしたいとプランを練りました。

当時、夫婦ふたりで暮らしていたアパートでは、仕事をする個室がなくて不便な思いをしていました。そのため、書斎を手に入れることをずっと夢見ていたのです。

建てた家は1階にLDKがあり、念願の書斎は2階の角に。しかし、憧れであったはずの書斎は、実際暮らし始めたら、意外にというか、全然使う機会がありません!

こだわりもたっぷり詰め込んだのに、なぜこのような事態になったのか。事情を語っていきましょう。

 

書斎でこだわったポイント

書斎でこだわったところは、つくりつけの本棚と、高さが調節できる可動式のデスクです。片側の壁一面、上から下まで本棚に。棚は可動式で、高さ調節ができます。

 

つくりつけのデスクも高さ調整ができる仕組みにしました。実際に使ってみるまで、作業をする際に床に座るかイスに座るか、筆者にはイメージができなかったからです。

壁紙はブルーを選択。明るすぎず、落ち着いていて、なんともいい雰囲気なのが気に入っています。当初の希望どおり、おこもり感のある仕上がりとなりました。

西日が強く差し込む窓が仕事のジャマになる

雰囲気もいいのに、なぜ、あまり使わないのか。それは、強い西日のためです。

デスク前にある窓から、強烈な西日が差し込みます。午後3時以降になると、ブラインドを完全に閉めないとまぶしくて仕事になりません。

 

しかし、ブラインドを完全に閉めると、今度は部屋が真っ暗に。昼間でも照明をつけることになります。電気代も高騰していますし、なんだかとてももったいない。

そもそもこのデスク正面の窓、覗いたところで、外の景色もどうってことないもの。もっと高い位置に取りつけておけばよかったです。

 

わざわざ2階に行くのが面倒くさい

筆者が仕事に使うのはノートPCです。どこでも仕事ができるので、結局、家で仕事するときは居心地がよい1階のリビングかキッチンで過ごすことに。

いつの間にか、書斎に行くためだけに、2階に上がるのがどうしてもおっくうになってしまいました。一日の間に、階段を何度も往復することにもなるわけだし、なんだかムダな気がします。

それに、リビングやキッチンにいれば、台所仕事や洗濯家事の合間に仕事ができます。

もっとも、メリハリをつけて書斎で仕事をしたいというケースなら好ましいかもしれません。生活空間から2階へと移動することで、気持ちも切り替わります。

むしろキッチンの方が集中できる

集中できる空間がほしいと思って書斎をつくりました。ところが意外なことに、キッチンの奥につくった、小さなワークスペースで仕事する方が集中できます。

こちらも書斎と同じように暗めの壁紙をチョイス。黒い壁紙の効果で落ち着きます。それに、板や壁などで囲まれているので、仕事のジャマするノイズが視界に入ってきません。自分の世界に没頭できます。

 

ちなみに、ちゃんとコンセントも設置しました。キッチンの中に、ちょっとしたワークスペースがあると、家事のすき間時間を有効活用できます。主婦在宅ワーカーにとっては、とても便利。

エアコンがないので、室温がイマイチ

書斎にはエアコンはつけませんでした。理由は3畳用のエアコンがないから。6畳用を設置するとエアコンが効きすぎると思いました。それに、「最悪、ほかの部屋でエアコンをつけ、扇風機で風を送れば、暑くてもなんとかなるだろう」とも考えたのです。

ですがやはり、夏は暑くて、冬は寒い…。快適とは真逆の環境なので、書斎から足が遠のいてしまいました。

 

もっとも、エアコンを書斎にあとづけできるように、コンセントだけは設置しています。ここで仕事すると決め込んでいたので、じつはインターネットの光回線も、わざわざ2階の書斎に引き込みました。

ちなみに書斎の位置は、2階の角部屋。この部屋だと、ネットはサクサクだけど、インターネットをいちばんよく使う1階リビングでは、電波が届きづらく、使い勝手はイマイチです。

余談ですが。後日、回線工事をしている人に聞いたところ、光回線を引き込む場所は、家の真ん中がよいとのこと。まんべんなく全体に、電波が届きやすくなるのだとか。

せっかくこだわりを詰め込んでつくった書斎。今後は、工夫しながら使用頻度を上げていきたいですが、それにしても、住んでみないとわからないことは多いですね。