食器棚を小さくした効果。お気に入りだけ残したら「お皿を使いたい=料理したい」気分に
食器棚を整理したことがきっかけとなり、料理づくりの苦手意識を克服できた。そんな日刊住まいライターのエピソードを紹介。食器棚を整理して、本当にお気に入りの食器だけを残したところ、「もっと食器を使いたい」という気持ちが生まれることに。料理づくりへの前向きな姿勢へとつながりました。
キッチンを広く使うために食器棚を小さなものへ
筆者は40代、夫婦でふたり暮らししています。以前は料理には興味がなく、レシピ交換をしている友達を不思議な気持ちで眺めていました。それは19年前に結婚をしても変わらず、「料理は嫌い」な時期がずっと続いていました。
その一方で、食器集めは大好きな筆者。手持ちも多く、長らく食器棚には、食器をギッシリと所持していました。
しかし、わが家のキッチンは3畳ほどとコンパクト。圧迫感のある大きな収納棚を置いて、この状態を続けるのが、ある時点でしんどいと思えるように。
そこで思いきって、小さいものに買い替えることにしました。現在は、背が低くて小ぶりな食器棚(幅120×奥行42×高さ87cm)を置いています。
なお、買い替えにあたっては、食器を大幅に処分しました。お気に入りのものとお別れするというつらい作業ではありましたが、おかげで、キッチンが少し広くなった気が。家事ストレスも減りました。
棚を小さくしたら、食器とじっくり向き合うように
小さな食器棚にしたことで、ほかにも意外な効果がありました。手持ちのアイテムを厳選し、食器とじっくり向き合うきっかけとなったのです。
以前のように、もう食器の衝動買いはできません。しまう場所がないのですから。どうしても買いたい場合は、なにかを整理してから…そんなクセがつきました。
棚に入るだけ、必要な枚数、使いやすい配置で置けるようにする。
この習慣が身につくと、自然とお気に入りだけが食器棚に残ります。そんな食器棚ができあがると、とても楽しい気持ちに。以前は眺めていれば満足していたのですが、「食器を使いたい」という心境になり、それが「料理をしたい」という気持ちへとつながりました。
食器を厳選したことで料理への関心が高まった
たとえばパスタ。筆者は昔、ビンに入ったパスタソースを使うことが多かったのですが、イチからつくる機会が増えました。
トマトソースの色味をもう少し明るくしたら、お皿に盛ったときにいい感じなるかも? そんなことを考えながら料理をしていると、かつてあった苦手意識もやわらいでいくようです。
具材も季節に合ったものを使いたくなったりして、お料理のバリエーションも広がりました。
難しいものはいまだにつくれません。でも、SNSでレシピを保存したり、おいしかったものをノートに書き留めて、同じものをつくれるようにしたり。以前に比べて、調理へのモチベーションが確実に上がりました。
夫婦間にも心境の変化が生まれた
変化は、夫婦間にも表れるようになりました。「今日の晩ご飯はなに?」と夫によく聞かれるようになったのです。多かった外食も減りましたし、夫の毎日のお弁当も欠かさずつくるというよいループが生まれました。
夫のランチ代だけでなく、食器の衝動買いも減ったので経済的にもよい影響です。そうなると、食器棚が小さくて、気に入ったものが安易に買えなったことなど、ささいなこと。むしろ、小さい収納スペースでやりくりすることが、楽しくすら思えるようになりました。
毎日の嫌いな台所家事を「楽しい」に変えてくれた小さな食器棚に感謝しています。