60代夫婦と30代の息子が暮らす、築58年の戸建て住宅のリノベーション事例です。もともとは夫の両親が購入した建売住宅。それを20数年前にリノベーションし、二世帯住宅として暮らしていました。今回はスケルトンにして、大規模なリノベーションを実施。玄関を移動したほか、夫の部屋の小上がり部分を収納にするなど収納も充実。寝室も夫婦別にして、ライフスタイルに合った暮らしやすい家になりました。

夫婦それぞれの生活スタイルを尊重して寝室は別室に。耐震性もアップ！

Y邸は夫の両親が昭和40年に購入した建売住宅で、今回が2度目のリノベーションです。最初のリノベは20年以上前。Yさん夫妻は結婚後しばらく賃貸物件に住んでいましたが、二世帯住宅へとリノベして両親、2人の子どもたちと暮らしました。

その後少しずつ家族構成が変化し、Yさん夫妻と二男の3人になったため、スケルトンにして大規模なリノベーションをすることに。暗くて狭かった玄関は、位置を移動し、ガラス入り引き戸の採用で快適に。玄関の移動によってリビングも拡張でき、夫の希望で設けたテラスとの一体感も得られました。

夫婦の寝室は、リノベのタイミングで別室に。夫は寝るまで寝室のテレビをつけておきたいなど、お互いに寝る前の過ごし方や就寝・起床時間が異なるため、別室にして快適に。上の写真は、リビングの一角に畳敷きの小上がりを設けた、布団派の夫の寝室です。

 

ベッド派の妻の寝室は、フローリングに。さらに壁内部の見直しによって、断熱性や耐震性も高め、安心もプラスした住まいとなりました。

リノベーション前の間取りとその様子

東京都　Yさんの家
・家族構成：夫60代　妻60代　二男30代
・工事費：3000万円（税・設計料込み）
・築年数：58年（1965年築）
・延床面積：83.63�屐�1階46.37�屐�2階37.26�屐�
・設計・施工：フィールドガレージ

 

右側の建物は、夫の仕事場だったもの。不要になったため、リノベで撤去して駐車スペースとしました。

 

玄関ホールとの間に壁があったため、リビングに圧迫感があり、その先のキッチンも暗かったそう。

 

2階の和室に面したベランダは、床材などが傷んでいて、洗濯物を干すのが怖いほどでした。

リノベーション後の間取り＆こだわりポイント

玄関を移動し、テラスを新設したことで、2辺が斜めになっている土地をムダなく利用。1階の夫の個室では小上がり下部を利用するなど、各個室の収納も充実させました。

 

A.パントリーからサニタリーへの動線が快適！

キッチンの先にパントリー、その先に洗面、トイレがある快適な動線。アールの下がり壁が空間をやわらかく仕切ると同時に、空間のアクセントにも！

 

B.既存の出窓を生かした壁づけキッチン

自然な風合いのフローリングとも調和するキッチン。隠す収納とオープン棚をうまく使い分けています。

 

C.ガラス入りの扉は愛犬の侵入対策にも

LDKと玄関ホール双方の採光に役立っているガラス入りの扉。玄関ドアをあけ閉めする際、犬の飛び出しを予防する役割も。

 

D.洗濯から物干しまで2階で完結

各階にあった浴室は2階のみに。洗濯機のある洗面脱衣室や物干し場が階にあることで、家事動線がすっきり。

 

E.テラスに出入りしやすい明るいリビング

リビングの奥には、夫の夢だったというテラスを新設。リビングの柱は、以前の玄関ホールの壁の中にあったものを移設しました。

 

F.ウッドフェンスが外観のアクセントに

外観のアクセントにもなっているウッドフェンス。テラスは、犬がリードなしで自由に遊べる場としても大活躍しています。

この家のデータ＆使われている素材と設備

建物規模：木造軸組工法2階建て

素材
床：フローリング、畳、塩ビタイル、タイル
壁：クロス、タイル天井：クロス

設備
キッチン／ガスコンロ：リンナイ、水栓：グローエ、食洗機：パナソニック
サニタリー／ユニットバス：TOTO、トイレ：既存（1階）・パナソニック（2階）、洗面ボウル：サンワカンパニー

設計・施工：フィールドガレージ