50代以降の押し入れの片づけ方。「処分してよかった」と心から思ったものは? :11月に読みたい記事
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そろそろ年末も近づき、大きな片づけの予定をしている人もいるのではないでしょうか? 押し入れのように普段なかなかお手入れせず、そのうえ大きなスペースは、ツボを押さえておくと片づけがラクに。今回、そんな押し入れの「疲れない片づけ方」について、整理収納アドバイザーの原田さよさんに教えてもらいました。
記事の初出は2022年11月。内容は執筆時の状況です。
50代からの押し入れの疲れない片づけ方
気持ちいい季節になりました。今回は、押し入れの疲れない片づけ方と、捨ててすっきりしたものについてご紹介します。押し入れの片づけをこの時期にやっておくと、年末にモヤモヤしなくてすむのでおすすめです。
かつての私のように、「押し入れに入れたいものを入れられない。奥になにをしまったか忘れているかも。でも片づけるのはしんどそう…」と思っている方のヒントにしていただけるとうれしいです。
●「押し入れを片づける目的」を先に確認しておくことが大切
まずは、押し入れを片づけたあとどう使いたいか確かめておくのがおすすめです。目的さえはっきりしていれば、捨てようか保留しようかで迷ったとき判断しやすいからです。迷うというのは案外疲れますよね。
目的はなんでもいいです。ただし、なるべく具体的なものにしてみてください。たとえば「押し入れにしまえず外に積み上げていた衣装ケースを押し入れにしまえるようにして、部屋を広く使いたい」。あるいは私のように「孫のオモチャとイスを入れておく場所を押し入れの中につくりたい」などでもOKです。
●押し入れの片づけをラクにする段取り3つ
押し入れに限らずですが、あるていど大がかりな片づけをする前は、必要なものを先に準備しておくのが大事です。片づけ途中で「あ! あれがないと片づけにくい、取りに行かなきゃ」という動きが減らせるからです。若いときと違って、疲れずにすむための準備が何においても大切になってきたとしみじみ感じています。
(1)片づけに必要なものを準備しておく
・大き目のゴミ袋(可燃用・不燃用・リサイクル用などにわけて)
・ガムテープ、ひも、ハサミ
・油性マジック、ふせん(箱に何かをしまっている人は、片づけたあと入れ替えるかもしれません。そのときのお助けアイテム)
・ブルーシート(床や畳の保護、乗せたまま移動させるにもラクで便利)
・掃除道具(ウエスや洗剤など)
・マスク、エプロン、軍手
私は手の甲をぶつけて擦り傷をつくったことがあったので、100円ショップにあった指先があいた手袋を使うようにしました。小さな傷一つでも回復が遅くなっていたからです。同世代の方は、ぜひこんなこともチェックしてみてくださいね。
(2)その日の家事を減らしておく
「明日は押し入れを片づけよう」と決めたら、コンビニでお弁当を買っておいたり、前の夜に多めにカレーや丼物の具などをつくって冷蔵庫で待機させておいたりしました。つくる手間もですが、食べたあとの手間が少なくてすむようにしておくと身体も心もラクでした。
なにかをがんばった後いつも通り家事をサクサクすすめるというのがしんどくなっていたので、こんなことでも準備しておくと役立ちました。
(3)出したものを広げる場所を、種類別に決めておく
押し入れからは、想像以上にたくさんのものが出てくるので、それらを広げる場所を先にあけておくのがおすすめです。また、ざっくりでいいので、「残すものは左、捨てるものは右」というようにゾーンを決めておくと、あとがラクです。押し入れから出しながら、分けていくといいでしょう。
●押し入れの中にありがちな、処分してよかったもの
以下にあげたのは、私が押し入れにため込んでいたものの一部です。これらのほとんどを処分したら、押し入れにあきスペースが生まれました!
・客用布団
・布団袋(引っ越しのときに業者さんからもらったものを20年近く捨てられませんでした)
・紙袋・ショップ袋(ほかの場所にも多数ありました)
・壁紙や襖紙の余ったもの
・賞状や習い事の記念品
・たくさんあった予備のシーツ、敷パッド、枕カバー
・使わない贈答品
・会社の創立記念品、退職したとき贈られたアルバム(もうまったく見てない)
・大昔のつくりかけの手芸品
どうしようか長年迷っていたものもありましたが、今は処分して良かったと思っています。残すか手放すかで迷ったときは、「それはないと困るものか、あれば私の役に立つか」と、自分に聞きながら決めていました。
●50代からは出し入れしやすい収納にしておく
「真ん中の段によく使うものをしまう」。「押し入れの手前側によく使うものをしまう」。押し入れ収納の基本は、年齢に関係なく同じです。ただ、50代以降でいえば、高いところ(天袋など)に重たいものをしまったり、たくさん収納するのはNGです。イスか脚立を持ってこないと届かないというのが、だんだん怖くなってくるからです。
また、高いところにしまったものは、中身が何か忘れる場合も。もし高いところにもたくさん収納したい場合は、ラベルを使い、大き目の字で何が入っているか書いておくのがおすすめです。
わが家の2階の押し入れは、娘家族の布団や季節外の家電、ちょくちょく使う座布団をしまっています。座布団は天袋にそのまま入れ、除湿用の木炭を間に置いているだけです。座布団を収納袋に入れて収納すると、出すのも干すのもきっと面倒になるので、こんなふうにしています。この座布団は、両親が結婚するときに用意してくれたものです。
●面倒な先には達成感もある
押し入れにあるものを全部出して片づけるのはたいへんですが、すっきり使いやすくなるのはもちろん、押し入れのすみずみまで掃除できるので気分もいいし達成感もあります。私は「こんなところにあった〜!」と、探していたものが押し入れから出てきて嬉しくなったこともありました。
全部が無理なら、下段だけとか、上段だけとかいうように、スペースを区切りながらすすめるのもいいです。一歩目が出ると次も出したくなるのが、片づけのいいところです。
準備をしたうえでも、押し入れの片づけは体力と気力がいりますから、終わったときのためにご自分へのごほうびを用意してほしいです。私はふだん我慢しているケーキ屋さんのケーキを買っておくだけで、ずいぶんがんばれました! あわただしくなる12月に入る前に、ぜひ押し入れの片づけ計画を立ててみてください。