日本では6割の夫婦が陥るといわれるセックスレス。「問題を先送りにし続けた結果です」と後悔を吐露するのは主婦の里奈さん(仮名・40代)です。思わぬ形で知ってしまった、夫の浮気相手の正体とは? 会社のレクリエーションイベントでの地獄のような修羅場を体験したときのお話してくださいました。

夫の浮気相手が正面から堂々と挨拶してきて…

レスで不妊治療にも協力してくれないばかりか、浮気を隠そうともしない夫に対して、ストレスがピークになっていった里奈さん。仲のいい友人には、探偵や弁護士を雇って、夫の女性問題を白黒ハッキリさせるべきなのか相談し始めていた頃です。

●突然、浮気相手の女の正体を知ることになった

それは、会社の部署で主催されたBBQでのこと。家族ぐるみのつき合いをしていた夫の同僚から「今度、部署のレクリエーションで日曜にBBQをするのですが、ご家族同伴でOKなのでよかったら里奈さんも一緒に来ませんか?」とメールをもらったそう。

「私はお誘いしてくれた同僚夫婦の奥様ととても仲がよかったので、ごはんを食べながらおしゃべりできたらいいなくらいの軽い気持ちで参加したのですが、当日、私と同僚奥様の間に割り込むようにグイグイ話しかけてくる女性がいたんです」と里奈さん。

そう、その女性こそ夫の長年の浮気相手。なんと同じ職場の人だったのです。

●地獄のBBQ

「すぐわかりました。A子さん(仮名)という私と同年代くらいの女性で、私のところへ『お世話になってます〜』って挨拶に来たんですが『ずっと奥様に会ってみたかった』とか『結婚される前から夫さんとは仲よかったんです』って自分からペラペラしゃべってきて。浮気してるかどうかなんて聞かなくても夫と周りの人の凍りついた表情を見れば一目瞭然でした」

こうして始まった地獄のようなBBQ。「帰りたかったけれど、私が逃げるみたいで悔しいから、意地でもとどまった」という里奈さんは、努めて明るく振舞ったそう。

「私が夫と幸せに暮らしているという事実を伝えることが、このときはなによりも大事だと思ったんです。だから満面の笑みを顔にはりつけて、『うちはそろそろ子どもが欲しいねって話をしているんですよ。女性は年齢的になかなか大変だから、急がないと』なんて話もサラっとして、夫の浮気なんか、なんとも思っていないかのように余裕ぶりました。本心は顔もみたくない相手でしたが、ニコニコしながら、子どもがいなくても今までもずっと幸せに暮らしているという話に終始したんです」

●浮気相手の素性を知っていちばんショックだったこと

その場の空気を想像するといたたまれないような気持ちになり、里奈さんに「急に、夫の愛人に話しかけられたら戸惑いますよね」と聞くと、「戸惑いを通り越して、いろんなショックが津波のように押し寄せた感覚でした」と答えてくれました。

「アクセサリーの紙袋のインパクトが強くて、もっと若い子とか、お店の女の子も想像していたのですが、目の前にいる女性が自分と同世代だったことがイヤでした。全然違うタイプだったら遊びなんだなって思えたけれど…」と話す里奈さん。

じつは里奈さん、BBQに参加する前から「A子」という人の名前を知っていたのだそう。

「A子さんって海外赴任中にもずっと年賀状とか送ってきたりしていたんです。なんのアピールだったんですかね? まさか愛人がそんなもの堂々と送ってくるだなんて夢にも思っていませんでしたよ。こっちは『ただの同僚』って夫から聞いていたから、失礼があったらいけないと思って、クリスマスカードとか送るときには欠かさず名簿に入れて返したりしていたほど。それが結婚前からずっと続いている浮気相手だったなんて。何人もいてとっかえひっかえではなく、ずっと一人の人と続いていたことも気持ち悪かったです」

●浮気相手もメンタル崩壊

結局、そのBBQ大会では、夫の浮気相手のA子さんが途中からお酒を飲みすぎた影響なのか、里奈さんがニコニコしているのがよほど堪えたのか、終盤になると自分の仕事の苦労話を勝手にはじめて「私は不幸すぎる」とかいって泣き出してしまったそう。

グダグダな状況でのお開きに。里奈さんは夫に「A子さん大丈夫? 助けてあげなくていいの? 毎年、年賀状くるほど仲いいんでしょ」というと真顔のまま「大丈夫だから、もう帰ろう」と言われて解散したそうです。

「私はなにも言わなかったけれど、夫はバレたことに気がついていたと思います。帰りの電車でも終始無言。家に帰ってからは自分の荷物に触るなと言わんばかりに、急に整理整頓をはじめたりして、いやな空気を漂わされました。被害者は私なのに、おかしいですよね」

里奈さんはここでも、とくに夫を問い詰めることはしなかったといいます。すべては妊活に悪影響を及ぼしたくなかったから。とにかく浮気相手と終わればいい。それだけを望んでいた矢先、里奈さんの体調に変化が…。

そろそろ更年期!?具合が悪くて病院へ

「夜、寝つきが悪くなったなとは自覚していたんですが、そこからだんだん眠れなくなってしまいました。体内時計が完全に崩れると、生理周期もおかしくなっていって。不正出血をしても、そろそろ更年期の年頃だし、今度検診のときに先生に相談すればいいかなって、悠長にかまえていたのですが、具合がどんどん悪くなってしまったのです」という里奈さん。

病院を受診したときにはすぐに入院が必要なレベルにまで悪化していました。原因は生活習慣とか遺伝とか、いろいろな要素を指摘されましたが、そのなかでもいちばんの心当たりはやっぱりストレスです。

●ひとり、病室で号泣

「いろんなことを我慢してきた後悔があふれて、病室で過ごす夜がとてもつらかったです」という里奈さん。結局、手術が必要ということになったのですが、この病室がまたしても修羅場と化してしまったお話はまた次回。