クリスマスイブを直前に控えた横浜の埠頭で起きた銃殺事件を端に、二宮和也さん、大沢たかおさん、中谷美紀さんが演じる3人の主人公の運命が交錯していく『ONE DAY〜聖夜のから騒ぎ〜』。

大沢たかおさんインタビュー「だれもが予想しなかった芝居が生まれている」

たった1日のできごとを1クールかけて描くというチャレンジングなオリジナルドラマとして、大きな話題を呼んでいます。本作で、横浜の老舗レストラン「葵亭」のシェフ・立葵時生(たちあおいときお)を演じているのが大沢さんです。

●役づくりのために知り合いの洋食屋さんに学びに行った

「同じ時間の別の空間で、3人それぞれの物語が進んでいく作品は観たことがないし、こんなにも挑戦的なことをテレビでどのように演出するのだろうと、すごくワクワクしました。僕はビックリするようなことをするのが好きなので、今回のドラマで貴重な体験をさせていただいていることに、とても感謝しています」

ストイックな役づくりをすることで知られる大沢さん。本作では、包丁さばきなどもかなり練習したそうです。

「普段あまり料理をしないので、知り合いの洋食屋さんに何度も学びに行きました。本当は弟子入りしたかったのですが、はっきり断られてしまって(笑)。何度も手を切って、悲しい思いもしましたが、ある程度はできるようになりましたね。ただ、台本には“切る”などの動きは、恐ろしくて書けなかったのでしょう。比較的、簡単な動作しか書かれていないので、脚本家の方に気を使わせてしまっているのかなと思います」

●現場は個性的な俳優さんばかり

大沢さんが登場する「レストラン編」では、クリスマスディナーの準備に追われるなか、銃殺事件の容疑をかけられている記憶喪失の男・勝呂寺(すぐろじ)誠司(二宮)が厨房に侵入。あとを追おうとした時生が寸胴をひっくり返し、代々受け継がれてきた店の“命”でもあるデミグラスソースをすべてこぼしてしまいます。

さらに、厨房でピストルを発見するなど、ハプニングの連続。大騒ぎのなか、なんとかクリスマスディナーの営業を決めたものの、デミグラスソースの代わりをどうするのか、従業員一同、頭を悩ませます。

「“レストラン編”は、『葵亭』というワンシチュエーションで、コメディ要素も含まれているパートです。そもそも、デミグラスソースをこぼしたのは時生なのに、初めは他人のせいにしましたからね。

現場は個性的な俳優さんばかり。皆さん、やたらとカメラの前に出ようとするので、だんだん動物園にいるような感覚になってきて(笑)。でも、必死になって演じているうちに、だれもが予想していなかったお芝居が生まれているので、観てくださる方が楽しんでくれたら、とてもうれしいですね」

物語が進むなか、時計の針が0時を指して聖夜が終わったとき、彼らの目の前に広がる光景とは? 衝撃の展開に、最後まで目が離せません。