洗面所は浴室やランドリールームとセットの間取りで考えがちです。でも、それは本当に正解? 半年前に地元工務店で家を建てた日刊住まいライターは、LDKの近くにドアを隔てず洗面所を配置する間取りに。あえてランドリールームとも離しました。結果、朝の支度がスムーズに。加えて、来客があったときも気軽に洗面所を使ってもらえるメリットも。詳しくレポートします。

新居では、冬でも寒くない洗面所を希望

筆者は夫と子ども2人(小学3年生と6年生)の4人家族。半年前に地元工務店で延床面積39坪、2階建ての家を建てました(上の平面図は現在の住まいのもの)。

以前の住まいは、リビングを出ると暗い廊下があり、右手に洗面所とお風呂のある間取りでした。冬はリビングのドアをあけるとふるえる寒さ。行くのもためらうような洗面所だったのです。

当時は、幼稚園児だった子どもたちの朝の支度をさせるのが大変。冬は、寒い洗面所には行かず、リビングで身支度を整えることも。

そこで新居では、温度差を感じない洗面所を希望。設計担当者と相談し、LDKの近くにドアを隔てず、洗面所を配置することにしました。

 

学校に出かける子どもたちの準備がさっと完了

上の写真は、リビングから見た洗面所です。ちょっとわかりにくいですが、リビングからキッチンの横を抜け、トイレへ行く手前にあります。

ですから朝、トイレに行ったあと洗面所で顔を洗うのもスムーズ。キッチンでご飯を食べたあと、数歩移動するだけで、歯みがきや髪の毛を整えることができます。

洗面台の幅は、子どもたちが2人並んでもゆとりがある1680mmに。鏡の幅も1200mmとワイド。実際に、3人並んでも大丈夫なくらいの幅です。

登校前の忙しい朝など、長男が歯をみがいたり寝グセを直したりしている隣で、筆者が長女の髪を結ってあげたりと、2人の子どもが学校に出る前のサポートも、パパッとできます。

また、カウンター上のボウルは片側に寄せて、もう片側を有効に使えるようにしました。ボウルがない方(洗面台の右側)は、クシやスプレー類、ゴム、ドライヤーなどを置いてもゆったり。ちなみのこの場所の下は稼働棚となっており、棚を取りはずすとイスも置けます。

以前の家では、まだ子どもも小さく洗面台の前に台を置いて使用。終わったあと、いちいち台を片づけるのが面倒でした。もし、この洗面台だったら、台も収納棚の下にササっしまえたと思います。

家事室ロッカーに近いので着替えもスムーズ

新しい住まいは、洗面所の奥にトイレ、その隣に家事室がある間取りにしました。家事室には、家族が普段着る服を収納するロッカーを設置(写真)。ここで着替えをしたあとに、トイレに寄ったり、洗面台で上半身をチェックしたりできるので、動線がとてもいいです。

家事室のロッカーと洗面台が近いことで、朝の支度も家事全般も格段にスムーズになりました。

 

背後の窓から注ぐ朝の自然光が心地いい!

洗面所の背後には窓を設けました。この窓から、朝は明るい自然光が差し込みます。ですから、電気をつけなくても気持ちよく朝の支度ができるのです。

この洗面所を使うようになってから、あわただしい朝の時間でも、リラックスできるようになりました。

洗面所とランドリールームはあえて別々に

最近、洗面所とランドリールームがつながっている間取りが、増えていると聞きます。わが家も当初は、ランドリールームに洗面台を置く間取りを検討していました。しかし筆者は、この間取りは採用しませんでした。その理由は2つあります。

・洗面台は憧れの対象だった
・プライバシーの問題(生活感を感じさせたくない)

筆者は以前から、ホテル、レストランの洗面台はどうしてこんなにすてきなんだろうと思っていたのです。ですから、機能性はもちろんですが、ホテルライクな雰囲気にしたいと考えました。洗濯物などの生活感のあるものが、目に飛び込んでくるようなことも、絶対に避けたかったのです。

 

来客にも気持ちよく使ってもらえる

もし洗面所とランドリールームとつながっていたら、洗面所にいてもアイアンバーにかかっている洗濯物が見えてしまうでしょう。そうなると生活感にあふれ、洗面所は特別なものではなくなる可能性がありました。

また、洗濯機の横に洗面台を配置した場合、洗濯物の前処理や上履き洗いを、洗面台で行うことになっていたでしょう。それがイヤだったのです。

また、ランドリールームと切り離していれば、来客があったときでも入り口のドアを閉めておくだけで、プライベートな場所を見られることなく、洗面所を使ってもらえます。

確かに洗面台をきれいにしておく必要があります。でも、カウンター下の収納や造作洗面台のミラーの中が収納になっているので、こまごまとしたものも出しっぱなしにならずに、きれいな状態を保てています。