リビングをすっきり見せる壁かけテレビ。しかし、その下にテレビボードを置く場合は注意が必要です。6年前に地元工務店で注文住宅を建てた日刊住まいライターは、採用して大後悔。リビングを狭くしてしまったうえに、今ではほとんど使い道も見いだせない状況に。

おしゃれさにひかれてフロートテレビボードを造作

筆者は夫と2歳娘の3人家族です。延床面積26坪、2LDKの小さな家を建てました。1階は15畳のLDKと水回りがあり、2階には寝室や子ども部屋を設けています。

設計当時、リビングの限られた空間を少しでも有効に使うため、テレビは壁かけにすることにした筆者。合わせて取り入れたのが、床から浮いて見える、造作のフロートテレビボードでした。フロートテレビボードは素材にもこだわり、天然木の集成材を使用。コスト面でも、7万円ほどかかりました。

 

フロートテレビボードを採用したのは、当時SNSやインテリア報誌でよく見かけたからです。見た目のおしゃれさにひと目ぼれ。置き家具のように脚がないため、掃除がしやすいのも魅力に感じました。

さらに、造作にすることで、収納やデザインも好みのものにできると思い、迷うことなく決定。しかしこれが、のちに後悔することになったのです。

造作テレビボードは使い道がなく、模様替えもできない!

造作のテレビボードは、奥行きが45cmあります(わが家がオモチャ棚として使っている既製品と並べると倍近い奥行き!)。収納量を考慮してこの奥行きにしたのですが…。せっかくテレビを壁かけにしてすっきりさせたのに、テレビボードのせいで圧迫感出て、部屋を狭くする原因になってしまいました。

現在は録画レコーダーを置いています。しかし、配信サービスの普及でほぼ使っていません。それ以外には収納するものも、あまりない状況。そもそも造作する必要がなかったと感じています。

 

苦しまぎれに、子どもの机の代わりにでもならないかと思いましたが…。テレビボードの棚は2段になっています。そのため、子ども用のイスを合わせると、下の棚に足が当たって使えません。

模様替えがしたくても、固定されているためそれも不可能。造作するとレイアウトの自由度が下がるのは、理解していたつもりです。でも今考えると、生活に合わせて買い替えたり移動したりできるよう、置くタイプにすればよかったと思います。

フロートテレビボードの構造も気になるように…

フロートテレビボードは、壁にアイアンなどの支えを埋め込み、その上に棚板を乗せる構造になっています。

造作した職人さんにも設計士さんにも、「通常のフロートの構造より頑丈につくっておいたから、ちょっとやそっとでは壊れない」と言われました。しかし、心配性な筆者は支えがないと不安に思う場面も。

とくにわが家は、飼いネコや小さな子どもがいるため、テレビボードに体重をかけたりたたいたりして負荷を与えられると、壊れるほどではないとわかっていてもヒヤヒヤしてしまいます。

ひと目ぼれして造作したテレビボードのせいで、狭く使いづらいリビングになってしまいました。テレビボードの設置は、もっと慎重に検討すべきだったと反省しています。