〈ナイトキャップ大流行のワケ〉なんと抜け毛防止にも。寝グセを防ぎ、ダメージから髪を守るケア効果もあるナイトキャップのメリットとは〈10月20日は頭髪の日〉

就寝中のヘアケアアイテムとして最近SNSなどで俄然見かけることが多くなったナイトキャップ。記者のイメージだと一世代前の女性たちが被っていたような……。うわさどおり本当に髪にいいのか? 使い方のポイントなどを、アンファー株式会社の毛髪診断士の網野伸哉さんに解説いただいた。

ナイトキャップのメリットとは?

ナイトキャップは、古くからヨーロッパで就寝時のアイテムとして取り入れられていました。

冬の防寒用として、また昔は衛生環境がよくなかったこともあり、髪にシラミがつくのを防ぐ目的があったとされています。

現在では、髪と頭皮の健康を維持できるものという認識に変わり、使用されていらっしゃる人もいるでしょう。

ナイトキャップのメリットは、髪が枕などにこすれるのを防ぎ、髪と頭皮の乾燥から守ってくれることです。

寝ている間は、髪は頭の重さと枕の反発とに挟まれている状態です。そのため寝返りをうつたびに髪がこすれてしまい、傷つきやすくなります。

また寒くなる時期に多い乾燥は、髪や頭皮にとって大敵です。乾燥することで、抜け毛やフケが増え、かゆみを感じて、無意識にかいてしまい、頭皮が傷ついてしまうことも。

ナイトキャップを被ることで、髪が覆われて一定の形になるため、髪がこすれるダメージを軽減し、適度に保温するため乾燥を防ぐことができるのです。

さらに、寝ぐせや髪の絡まりを防ぐので、ヘアケアしやすくなります。

ですが、使い方や選び方をきちんと把握していないと、逆に髪や頭皮にダメージを与えてしまい、睡眠の質が落ちてしまう場合もあるので、気をつけなくてはいけません。

ナイトキャップはサイズ感がポイントに

ナイトキャップの使い方のNGは、髪が半乾きや濡れている状態のままで被って寝てしまうことです。

濡れた状態のままだと、ナイトキャップの中が蒸れてしまい、菌が増殖する原因にもなり、頭皮環境を悪化させる恐れがあります。

菌が増殖するとかゆみが発生し、寝ている間にかいて炎症を起こしてしまうことも。

髪はしっかりドライヤーで乾かしてから、ナイトキャップを被るようにしましょう。

また、ナイトキャップは自分の頭のサイズに合っているか、購入前にチェックを。

大きすぎると寝返りをうった際に外れることもあるし、逆に小さいと締め付けによってゴムの跡が額に残ったり、きついと頭痛や血行不良の原因になる場合も。

できれば、ゴムやヒモでサイズ調整ができるタイプを選ぶのがベターです。

さらに、髪の量や長さがキャップ内にすっぽりおさまるかどうかもチェック。サイズの合わないナイトキャップは、髪の毛をひっぱり、かえって抜け毛の原因になるので注意を。

さらに快適にナイトキャップを使用したいなら、季節によって素材を変えるのがおすすめです。

暑い夏は、通気性や吸湿性に優れた素材なら、熱を逃がしてくれて頭皮が蒸れにくくなります。逆に冬は保温・保湿性に優れた素材のものを選んで乾燥や防寒対策をするなど、使い分けるようにするといいでしょう。

冬は乾燥肌用シャンプーがおすすめ

1年中のうち、秋は抜け毛が多くなるシーズンです。

秋は動物と同じように人間も冬に備えて髪が生え変わる時期と言われています。また、夏の紫外線によるダメージが蓄積されて抜け毛が増えることもあります。

なので、ナイトキャップで就寝時の髪や頭皮のケアをすることは大切ですが、普段のシャンプーなどのお手入れも気をつけるようにしたいものです。

シャンプーで汚れや余分な皮脂を落とした後、コンディショナーを使うことで水分と油分のバランスが保たれるので両方を使用することをおすすめします。

シャンプー後はきちんと乾かして、乾燥が気になるようならヘアオイルを使うことで髪がコーティングされ、ダメージから守られます。

また、季節によってシャンプーを変えるのもおすすめです。

夏は皮脂が出やすいので洗浄力が高いものでもいいのですが、冬はそれほど汗もかかないので、乾燥肌用や敏感肌用のシャンプーを使うなどして、頭皮状態にあったシャンプーを選ぶことで清潔な頭皮環境を保つことができます。

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シャンプーするときはいきなりシャンプー剤を髪につけず、お湯で一度汚れを落としてからのほうがしっかり泡立ち、頭皮を傷つけることなく洗えます。

また、爪を立てて洗うのはNG。指の腹で優しく洗うようにしましょう。

これからの季節はますます空気が乾くため、髪も乾燥します。

髪の乾燥は抜け毛の原因になるので、毎日のシャンプーやナイトキャップなどを上手に利用していい頭皮環境をキープしましょう。

取材・文/百田なつき