すでに部隊配備も始まっています。

車長はヘッドマウントディスプレイを装着

 イスラエル国防省は2023年9月20日、新型戦車「バラク」を発表しました。

 これは同国の国産戦車「メルカバ」の第5世代モデル、すなわちMk.5にあたるとのこと。開発期間は5年間であり、外観は既存の「メルカバMk.4」と酷似していることからも、同モデルをベースに大幅な改良を施して誕生したことがうかがえます。


イスラエルが発表した最新戦車「バラク」。「メルカバMk.5」といえるモデルだ(画像:イスラエル国防省)。

 開発に携わったエレクトロニクス企業、エルビット・システムズ社の説明によると、「バラク」は、改良型の照準装置と火器管制システム、高性能な暗視装置、大容量データの送受信が可能な無線機「E-LynX」、および車長用のヘッドマウントディスプレイ(HMD)「アイアン・ヴィジョン」を備えているそう。
 
 また360度(全周)の状況認識が可能な新型の視察装置を装備するほか、高度なセンサーとAIを活用した高度な情報処理システムを搭載するとしています。
 
 これら新システムによって「バラク」は、常に味方部隊と情報共有をしつつ、敵味方の状況を瞬時に認識することで、これまでよりも速いペースで戦闘できるとのこと。小隊や中隊間の即時交戦能力を格段に高めることができるそうです。

 すでに「バラク」は南部軍に所属する第401機甲旅団隷下の第52戦車大隊に納入が始まっており、順次ほかの部隊にも配備が進められる模様です。