デスクワークなどうつむくような姿勢になると首への負担が何倍にも。時々ひと息つくよう心がけてみましょう。

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 痛いほどではないけれど、だる重い、違和感がある…そんな“首こり”に悩む人は少なくありません。これら首こりの主な原因は“姿勢”。長時間同じ姿勢でいたり、間違った姿勢でいることで起こりやすいと言われています。それでは首こりを予防する正しい姿勢、なってしまった後の改善方法とはどのようなものでしょうか。理学療法士の藤澤素子さんが解説します。

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■まずは姿勢チェックとこまめな首まわりケアで予防を

 首こりは、首の周りの筋肉が硬くなってだるさや違和感を感じる状態のことです。首まわりの筋肉の緊張や血行不良によって起こり、一時的なものであれば自然に治ることもありますが、長期間続く場合は、慢性的なものになる可能性もあります。早めのケアとともに、予防として、日々の生活の中で正しい姿勢を心がけることが大切です。

1) 姿勢チェック

まずは、自分の姿勢をチェックしてみましょう。座っていても、立っていても構いませんので、いつも通りの姿勢をしてみてください。この時の横から見た姿勢を写真で撮る、もしくは誰かに見てもらいましょう。

2)正しい姿勢と肩こりしやすい姿勢の違い

見るポイントは、耳たぶ(耳垂)と、肩の外側にある骨(肩峰)のライン。横から見た時に、ここがまっすぐにつながるのが正しい姿勢です。耳たぶの位置が肩峰よりも前にある場合、もしくは顎が上がってしまっている場合は、頭の重さを首まわりの筋肉で支えるため、首こりになりやすいとされています。

3)前かがみの姿勢を長く続けないこと

仕事柄、前かがみや下を向く姿勢を続ける方もいると思います。その場合はこまめにケアを行いましょう。仕事や家事の合間に首のストレッチを行ったり、肩まわり・背中まわりを動かすことも必要です。

 なってしまった時には、次に紹介するストレッチ&首の付け根ほぐしを実践してみましょう。

■“首こり”症状を改善するストレッチ&首の付け根ほぐしの方法

【改善法1】肩回し

両腕をぐるぐる回す運動はよく聞くと思いますが、今回ご紹介するのは、しっかりと筋肉を動かしてほぐしていく方法です。(立っていても座っていてもOKです!)

1.まず、肘を曲げて両肩に指先を置きましょう。

2.身体の正面で、両肘をつけて目線の高さまで離さずに上げていきます。

3.肘が離れたら、天井に向かって肘を動かしていきます。

4.そのまま肘を外側に開いて腕が一周します。この時に、肩甲骨をしっかりと寄せましょう。これをゆっくり10回繰り返します。

 最初のうちは、肩・首回りの筋肉が疲れて痛くなる可能性もありますが、何日か続けていると肩回り・首回りの筋肉がほぐれて軽くなってきます。

【改善法2】Cat&Dog

脊柱の動きを良くして、関節の可動性や筋肉の柔軟性を改善します。四つ這いになり、背中を丸める、反らすことを繰り返します。この時、手と膝の位置がずれないように気をつけましょう。腰痛がある方は気を付けてください。これを10回繰り返します。

【改善法3】首の付け根ほぐし

首こりの原因となる、後頭下筋群をほぐします。指先4本で頭の後ろ、耳の高さのラインに当てましょう。そのまま首の力は入れずに、頭の重さを利用します。10秒リラックスしましょう。

 首こりは身近な症状で、悩まされている方は多いと思います。最近は、パソコンやスマホを見る時間が長く、ストレートネックと言われた方も多いのではないでしょうか? 前かがみや猫背でいると、頭部が前方に突出し、首の骨(頸椎)の弯曲が少なくなります。成人の頭の重さは約4〜6kgと言われておりますが、うつむくような姿勢になると首への負担が何倍にもなります。そのため、首回りの筋肉や関節に負担がかかり、首こりに繋がってしまいます。時々一息ついて、身体をケアしてあげてくださいね。

記事監修/藤澤素子

理学療法士。東京小金井市にある自費リハビリ施設「脳卒中リハビリセンターMOMOKA」の副代表。脳卒中リハビリセンターMOMOKAは、脳卒中やパーキンソン病などで退院後もリハビリを必要としている方のための保険外のリハビリ施設。マンツーマンでしっかりと効果を出すことをモットーに、あきらめたくない方への希望となるよう、今後の人生を見越したリハビリを実施。