ブランド名をTwitterから改称した「X」は、公式アカウントのユーザー名も「X(@X)」に変更しました。この「@X」というユーザー名は、ある写真家の男性が2007年から使用していましたが、Xは男性から無償でこのユーザー名を引き継いで使用していることが報じられています。

Elon Musk takes over @x Twitter account - without paying owner

https://www.telegraph.co.uk/business/2023/07/26/x-twitter-handle-account-owner-not-paid-elon-musk-rebrand/

Twitter commandeers @X username from man who had it since 2007 | Ars Technica

https://arstechnica.com/tech-policy/2023/07/twitter-took-x-handle-from-longtime-user-and-only-offered-him-some-merch/

Twitterの名称が「X」に変更されるのに伴い、運営の公式アカウントもX(@X)に変わりました。イギリスのニュースメディア・The Telegraphによると、このユーザー名は2023年7月25日まで、サンフランシスコ在住の写真家であるジーン・X・ファン氏のものだったとのこと。イギリスの日刊タブロイド紙・The Sunは以前、ファン氏のアカウントには「数万ドル(数百万円)の価値がある」と見積もっています。

Internet ArchiveのWayback Machineを使うと、ファン氏がこのアカウントから日々の出来事をつづっていたのを見ることができます。



2007年から「@X」を使ってきたファン氏は、もしX側からアカウントについて話を持ちかけられたら快く応じるつもりだったとのこと。しかし、ファン氏はアカウントが会社に引き継がれるということを通知するメールを受け取っただけでした。その中でXは、Xのグッズの提供や経営陣との面会を提案しましたが、金銭については一切提供されなかったそうです。

ファン氏はThe Telegraphに対して、「彼らは、そのユーザー名は本質的に『X』の所有物であるというメールを送ってきました」と話しました。なお、記事作成時点で有効なサービス利用規約には、「当社はまた、ユーザーに責任を負うことなく、本サービス上のコンテンツの削除または配信の拒否、本サービス上のコンテンツの配信または表示の制限、利用ユーザー者の資格停止または終了、およびユーザー名の返還を要求することができるものとします」と記載されています。



経営陣との面会を提案されたファン氏は、IT系ニュースサイトのArs Technicaに対して、「面会がどのようなものになるかわからないので、経営陣と会う必要性を感じませんでした。おそらく、気まずいものになったでしょうね」と話して、面会の提案を断ったことを明かしました。

また、ファン氏は「私は法律の専門家ではないので、私にどのような権利があるのかわかりません。もしかしたら何らかの権利があるかもしれませんが、私は自分の人生をシンプルに保ちたいと思っているので、そのようなことで争いたくないんです」と述べて、長年使ったユーザー名の返還や金銭的補償をめぐって争うつもりはないと表明しています。

ユーザー名をXの公式アカウントに譲ったファン氏は、記事作成時点では「@x12345678998765」という新しいユーザー名を使っています。ファン氏は2023年7月26日の投稿で「終わりよければすべてよし」とつぶやきました。