伊藤ハム、障害者への「差別的」指示疑惑を否定 YouTube関係者告発も「解釈の相違」

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伊藤ハム公式YouTubeチャンネルの番組出演者が、同社から障害者を差別するような指示を受けたと告発した。

伊藤ハム米久ホールディングス(東京都目黒区)は取材に対し、「人権方針に反するような発言の事実は認められませんでした」と反論する。

「障がいのある従業員のインタビューをカットするように」

発端は、テレビプロデューサーでライターの鎮目博道さんの告発だった。伊藤ハム公式YouTubeチャンネルの料理番組「みんなでハムハム」の総合演出を手掛け、自身も出演している。

同番組をめぐりツイッターで22日、「伊藤ハムから驚くような指示を受けました」と告発した。障害者雇用に力を入れる大阪のフレンチレストラン「ル・クロ・ド・マリアージュ」を取材する際に、伊藤ハム広報から番組プロデューサーに対し、次のような指示があったとしている。

「障がいのある従業員のインタビューをカットするように」
「障がい者と健常者が働くユニバーサルレストランというとかえって区別になるからそれには触れず普通のレストランとして紹介するように」

鎮目さんは、「我々が抗議すると別の修正案が示されましたが、上記の指示があまりにも衝撃的で、障がい者に対して差別的なので憤りを感じて、制作の続行を拒否しました」と続け、伊藤ハムに説明や反省を求めた。

番組の制作を手掛けるテレビマンユニオン(東京都渋谷区)の津田環さんは、鎮目さんの投稿を引用し、自身が伊藤ハムから指示を受けたプロデューサーであるとして、「制作現場で障害者差別が起こり、本当に驚くと共に悲しいし、憤りを感じます」と訴えた。

伊藤ハム「弊社とお取引先様に解釈の相違があった」

鎮目氏がツイッターで記したような指示を出した事実はあるのか。どんな意図による指示が行われていたのか。J-CASTニュースの取材に対し伊藤ハムは28日、次のように回答した。

「お取引先様のSNSアカウントで公開された内容について、弊社にて事実確認したところ、伊藤ハム公式YouTube番組『みんなでハムハム』は弊社商品を使ったメニューの紹介をいただくことを意図した番組ですが、番組編集の確認段階において、弊社とお取引先様に解釈の相違があったと認識しています」

事実確認を進めた結果、「人権方針に反するような発言の事実は認められませんでした」としている。指示内容やその意図については言及せず、「先方との契約上の守秘義務もあり、詳細は控えさせていただきます」との回答にとどまった。