河合塾公式サイトより

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教室に冷房ついてない、誰か気づいて――。そんな願いを学習管理アプリに投稿すると、10分後に大手予備校・河合塾が「今つけましたので、授業頑張ってください」と対応したというツイッター投稿が話題になり、「神対応」などと称賛する声が相次いだ。

河合塾広報は、2022年度から学習管理アプリを利用した学習サポートを導入していると取材に明かす。反響については「率直に驚いています。校舎運営・塾生へのご対応として日常業務を行っていただけなので、SNSで大きな反応をいただくということをまったく想定していませんでした」と述べている。

「まさか気付いてもらえるだなんて思っていませんでした」

事の発端は、2023年6月6日のツイッター投稿だ。アプリに「704冷房ついてなくて死ぬ 誰か気づいて」と投稿すると、10分後に「暑かったですよね。失礼いたしました。今つけましたので、授業頑張ってください」と河合塾横浜校が対応してくれたという主旨のツイートが、7万8000件以上の「いいね」を集めるなど話題になった。

この投稿に、他のユーザーからは「これは神対応すぎる...!」「優しすぎて涙出る」などと称賛する声が相次いだ。また、「10分で返信だと」「十分で気づくのすごい」などと対応の早さに驚く声も上がっている。

投稿者は6月8日、「日々の勉強に疲れていて遊び半分で投稿したので、まさか気付いてもらえるだなんて思っていませんでした」とJ-CASTニュースの取材に述べる。「講師、事務の方々が皆優しくて頼りがいがあってすごいです!」と横浜校を褒め称えた。

アプリの投稿内容に、なぜ塾側は対応できたのか。河合塾広報は6月8日、高卒生向けの「大学受験科」と高校生向けの「高校グリーンコース」を行う全校舎で、学習管理アプリ「Studyplus」を利用した学習サポートを2022年度から導入していると、取材に説明。今回の件は、アプリでの投稿内容に、横浜校スタッフが気づいて対応したのだという。

「校舎では日頃から、生徒がつけた学習記録に対して『いいね』やコメントを送ったり、チャットでの質問に対して回答・アドバイスを送ったりしています。わざわざ窓口までお越しいただかなくても、ちょっとした相談ごとや質問であればチャットでコミュニケーションを取れるので、様々な学習・進路の相談はもちろん、ちょっとした悩み事の相談や事務的な質問まで幅広く活用していただいています」

「コミュニケーションツールの存在感の大きさを感じています」

広報は「生徒が学習記録とともにつぶやくコメントには、その生徒の本音・今の心境がリアルに含まれるケースが多い」とし、河合塾のスタッフが一人ひとりの学習記録に目を通してリアクションすることで、学習に対する生徒のモチベーションを維持したり向上したりすることを目指しているという。

今回のような冷暖房に関する呟き以外にも、学習や大学入試、進路に関する相談が寄せられたり、日々の生活の悩みなどを学習記録のついでに投稿したりする生徒もいると、広報は明かす。スタッフがダイレクトメッセージを送って相談に乗ることで解決することもあるという。

広報は、生徒の学習記録やコメントの確認、リアクションはどの校舎でも行っていると説明した。そのため、今回大きな反響があったことについて「率直に驚いています」「日常業務を行っていただけ」などと驚きを露わにした。今回の件に対し、「Studyplusを通じてご要望をおうかがいできたことで、あらためてSNSやコミュニケーションツールの存在感の大きさを感じています」とコメントしている。