家づくりでは、子どもの人数に合わせて個室をつくるケースが一般的です。しかしあえて、3人の子どものために、8畳の子ども部屋をひとつだけつくった日刊住まいライター。半年前にハウスメーカーで平屋の家を建てた際、なぜ、そのような間取りにしたのか理由を語ります。

今は長男と長女が8畳を4畳ずつ分けて使用

筆者は、夫と子ども3人(15歳、8歳、5歳)の5人家族。半年ほど前に都内から西軽井沢に移住して、大手ハウスメーカーで平屋の家を建てました。

実現した間取りには子ども部屋は、造作家具は一切ないシンプルな8畳の1部屋しかありません(それ以外に、リビングにスタディーコーナーはあります)。今はその子ども部屋を高校1年生の長男と、小学校3年生の長女で4畳ずつ分けて部屋を使っています。

ちなみにこの間取りにすることは、子どもたちと話し合って決めました。

 

写真の手前にある背の低いベッドは長男のシングルベッド。背の高い方の黒いベッドは長女のシステムベッドです(まだ二女は、筆者と夫と3人で寝室を使って寝ています)。

 

長男スペースには勉強机と、ニトリで購入したスチールラックを配置。

リビングにスタディースペースがあるものの、高校生ともなると個室で勉強がしたいだろうということで机を置きました。ちなみにバランスボールは、イスの代わりに使っています。

小学生の長女のスペースには、ベッドのほかに遊びで使う小さな折りたたみ机を置いています。

長女の場合は、スタディースペースを使って勉強しているので、子ども部屋に机がなくても問題ありません。

 

そして長女のスペースの壁側にはカラーボックスを置いています。左のカラーボックスは、長女の文房具や本、雑貨を、右のカラーボックスには、二女のオモチャや保育園グッズを収納しています。

ちなみにカラーボックスの隣にあるピンクと紫の引き出しは、ランドセル置き場兼ハンカチなどを収納する場所となっています。

このコーナーに関しては、現時点では部屋を持っていない二女が長女と一緒に使っています。

 

回遊できるよう子ども部屋の出入り口は2つ用意

子ども部屋は小さいながらも、扉は2つ確保しました。ただ扉を2つにするのではなく、回遊できるようになっています。

 

通常は長男も長女もリビング側(長女のスペース側)から出入りしています。長男のスペース側の出入り口は、おもにトイレに行く際に使っています。

ただ、学校から帰ってきた際、ときには顔を出したくない日もあるようで、リビングは通らずにこの出入り口から部屋に入ることもあります。

収納家具を置いて2つに分けて使うことも想定

子ども部屋の出入口を2つにしたのにはもうひとつ理由が。それは置き家具で一時的に部屋を分けることも考えているからです。

 

部屋を分ける想定でいたので、エアコンは部屋の真ん中に。照明も窓もそれぞれひとつずつ均等に配置しました。

間仕切り家具を置き区切っても、ベッドの部分はそのまま上部があいたままですから、今と同じようにエアコンは効くはず。リビングから子どもの様子を確認することもできます。

 

間仕切り家具を置こうとしている場所は幅140cm。間仕切りとして考えているのは、ディノスの「パネル収納ハンガーラック・板タイプハンガー」。幅60cmタイプのものか、幅120cmのタイプを購入予定です。

幅60cmにすれば、今まで通り通行がしやすく回遊も可能。幅120cmにすると、ほぼ回遊はできませんが、きちんと仕切ることができます。

どちらを選択するのかは、子ども達同士で話し合って決めさせようと思っています。

 

長男が大学進学後は、長女と二女の部屋に

なぜ、子どもが3人いても、子ども部屋は1つでいいと考えたのかは、以前暮らしていたマンション自体の経験があるからです。

長男が1歳のときから住んでいたマンションは3LDK。長男には最初から部屋を与えていました(長女と二女には部屋はありませんでした)。しかし、子ども部屋を自分の部屋として使い始めたのは中学生から。

その経験から、今回建てた家では、子ども部屋はあまり使われないという想定で、間取りを決めまたのです

おそらく小学3年生の長女が、ちゃんと部屋を使うようになるのは中学生になる頃。そのとき長男は19歳になっています。

今後の進路はまだわかりませんが、大学に進学し家を出ているはず。長男が家を出たあとは、長女と二女の2人で部屋を使ってもらう予定でいます。

子ども部屋はカスタマイズしやすい方がいい

家づくり当初は、子ども3人全員にひとり部屋与える間取り案もありました。3〜4畳の部屋をひとりずつにというプランです。

きっちり1部屋ずつ与えることで、子どものプライバシーを保てる、子どもが部屋を好きなように使えるというメリットもあります。

しかし筆者は、子ども部屋を「子どものために居心地よく」したくありませんでした。理由としては、居心地よくしすぎると、部屋から出てこなくなるからです。

子ども部屋には最低限のものだけを置き、タブレットやスマホの置き場は、リビングのスタディスペースに集約しています。充電ステーションにもなっています。

 

長女と二女は、タブレット学習をしています。子ども部屋で勉強するのではなく、スタディスペースで勉強をして、使い終わったらその場でタブレットを充電できるようになっています。

狭いながらも工夫をすることで、意外といろいろなことができるので8畳で十分だったと満足しています。

じつは筆者、子どもが皆巣立ったら、子ども部屋はシアタールームにしたいと考えています。それも家具を造作せずにシンプルな箱に仕上げた理由です。

カスタマイズしやすい子ども部屋。家づくりの参考になればうれしいです。