【海外発！Breaking News】自由な一日は「退屈」 定年退職後にマクドナルドで働き始めた72歳男性（豪）

定年退職後には毎日をゆっくり過ごしたいと考える人もいるだろうが、オーストラリアに住む男性は違った。退職して仕事のない一日を過ごした男性は時間を持て余してしまい、地元のマクドナルドで働くことにした。そして6年間勤務して、現在72歳の男性は「80歳になるまで働きたい」と話しているという。豪ニュースメディア『9News』などが伝えている。

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豪ニューサウスウェールズ州ニューカッスル在住のダリル・ホームズさん（Daryl Holmes、72）は、6年前に障害者支援の仕事を定年退職した。真面目に長年働き続けてきたダリルさんは、自宅で余生をゆっくりと過ごすはずだった。しかし自由な一日を家で過ごしてみると、何もすることがなく退屈に感じてしまったという。そしてダリルさんは、地元のウォールセンドにあるマクドナルドの求人に応募し、同店舗で働くことになった。

同僚のほとんどが若い世代だそうで、ダリルさんは「『同僚全員の年齢を足しても2歳差にしかならない』とよく冗談を言っているんです」と笑って話す。ゴルフが趣味というダリルさんは、退職してからゴルフに熱を入れて楽しむこともできたはずだ。再び働き始めた理由について、ダリルさんは「働くことが好きなんです。当時は妻がまだ働いていて、あと数年は働き続ける予定でした。私だけが家でのんびりしているわけにはいかないですよね」と語った。

現在カスタマー・エクスペリエンス・リーダーとして働くダリルさんは、笑顔で来店者を迎え、セルフオーダー端末の使用を手伝ったり、出来上がった商品を運んだりすることもある。ダリルさんが働き始めるまで、同店舗では店員が来店者に話しかけたりすることはあまりなかったそうで「私が『こんにちは』とお客様にあいさつをすると、驚く人もいますよ」とダリルさんは明かす。

働き始めてからすでに6年が経過し、ダリルさんは地元で有名な店員となった。同店でオペレーション・コンサルタントを務めるクルーズ・モナハンさん（Cruise Monaghan）は「普段だったら、店員とコミュニケーションをとることなんて、そうありません。ダリルさんは店内全てのサービスに問題がないかを確認し、お客様に何でもない一言をかけてくれています。ダリルさんのおかげで、良いレビューが多数寄せられていますよ」とダリルさんの活躍を称えた。

マクドナルドでは年に1度、モノポリー（ボードゲーム）とタイアップしたキャンペーン期間があり、ダリルさんはその期間になると、モノポリーのマスコットキャラクターである「Rich Uncle Pennybags」に扮するという。ダリルさんは鼻の下に白いヒゲを付け、シルクハットと蝶ネクタイを身に付けてサービスを行うが、その仕事が一番のお気に入りということだ。

また最年長の従業員として働くダリルさんは、これまでの経験や知識を若い従業員に伝えることも楽しんでいる。「自分のやっていることを楽しみ、学ぶことの重要性、そしてつらい時に話せる相手がいることの大切さについて話すだけです。私は彼らの祖父のような存在ですね」とダリルさんは説明しており、「同僚はみんな素晴らしく、一緒に働けることを光栄に思います」と謙虚な一面も見せた。

現在も同店で働くダリルさんは、80歳になるまで働きたいと考えており、定年退職をして時間を持て余している人にも、求人に応募することを勧めている。

「世の中にはたくさんの仕事があります。雇用主はあなたができないことではなく、何ができるのかを知りたがっています。あなたができることを上手く伝えることができれば、自身を売り込む良いチャンスになりますよ。」

ちなみに2017年には、マクドナルドで働く94歳の女性が勤続44年を迎えたことで、店舗にケーキを用意して祝福したというニュースが話題を呼んでいた。

画像は『JOE.co.uk　2023年5月3日付「Man, 72, ditches retirement because it’s boring and gets job at McDonald’s」』『Wallsend McDonalds　2019年9月4日付Instagram「Monopoly well and truly underway at Wallsend!」』『9News　2023年4月20日付「Retiree, 72, putting smiles on faces as one of McDonald’s oldest employees」（Nine）』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部　iruy）