アメリカ航空宇宙局(NASA)が2002年に打ち上げ、太陽フレアの観測などを行っていた人工衛星「RHESSI(Reuven Ramaty High Energy Solar Spectroscopic Imager)が日本時間の2023年4月20日午前9時50分から誤差16時間以内で、地球の大気圏に再突入すると予測されています。

NASA Retired Solar Energy Imager Spacecraft to Reenter Atmosphere | NASA

https://www.nasa.gov/feature/nasa-retired-solar-energy-imager-spacecraft-to-reenter-atmosphere



Out-of-control defunct NASA satellite will smash into Earth today | Live Science

https://www.livescience.com/space/out-of-control-defunct-nasa-satellite-will-smash-into-earth-today



Dead NASA satellite will crash to Earth this week | Space

https://www.space.com/dead-nasa-satellite-rhessi-crash-earth-april-2023



RHESSIは2002年2月5日にペガサスXLによって打ち上げられた660ポンド(約300kg)の人工衛星で、太陽フレアにおけるエネルギーの放出と粒子の加速を解明することを目的とし、X線やガンマ線で太陽の観測を行っていました。

ミッション中にRHESSIは10万回を越えるX線による観測を行い、太陽フレアの高エネルギー粒子の研究に役立ちました。しかしRHESSIは機器の老朽化のため、2018年に16年にわたる運用を終了しています。

役目を終えたRHESSIは日本時間の2023年4月20日午前9時50分、誤差16時間で地球の大気圏に再突入すると考えられています。NASAは「大気圏に突入したRHESSIの大部分は燃え尽きると予想していますが、一部のコンポーネントは再突入後も燃え尽きず地球に落下する可能性があります」と述べています。しかしNASAは「地球上の人物に危害が及ぶ可能性は低く、その割合は約2467分の1です」と推測しています。

天文学者のジョナサン・マクドウェル氏は「RHESSIはわずか300kgの人工衛星であるため、地球に落下した物質による重大なリスクはないはずです」と予測しています。





また、マクドウェル氏は「誰かが再突入して分裂した際の火の玉を観測しない限り、RHESSIがいつどこで大気圏に再突入したのかを知ることはできません」と述べています。





なお、RHESSIの現在位置の予測を行っているウェブサイトによると、記事作成時点でのRHESSIの位置は南アメリカ大陸の西の海上で、高度は約166kmでした。