(左上から時計回りに)ももいろクローバーZ『祝典』、私立恵比寿中学『kyo-do?』、TEAM SHACHI『Rocket Queen feat. MCU/Rock Away』、超ときめき▽宣伝部『トゥモロー最強説!!』

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個性的な女性アイドルグループが次々と誕生し、「アイドル戦国時代」と言われたのは、もう10年近く前の話だが…、年間を通して、大小様々なアイドルフェスが開催されている昨今の状況を見ると、今こそまさに、勝ち続けることが困難な「超戦国時代」と言ってもいいのではないだろうか。

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そんな中、特定のメンバー1人だけを推すのではなく、グループ全体を推す“箱推し”という応援スタイルのアイドルファンがいる。そして、さらに大きな括りで、同じ事務所に所属するグループや姉妹グループなど、複数のグループをまとめて追いかける“全推し”的なアイドルファンも存在している。特に、モーニング娘。’23 をはじめとしたハロー!プロジェクトやBiSHらが所属するWACK、指原莉乃がプロデュースを手掛ける3グループのイコノイジョイなどに、そうしたファンが多く見られる。

今回は、そうした“全推し”の中でも、特に熱烈なファンを多く獲得しているスターダストプラネットに注目したい。スターダストプラネット、通称「スタプラ」は、芸能事務所スターダストプロモーションの女性アイドル部門で、現在10組ほどのグループが所属している。

そんなスタプラのトップが、今年15周年を迎えるももいろクローバーZだ。国民的アイドルグループとも言われる4人組。昨年結婚を発表した最年長の高城れには今年で30歳。全員がアラサーと言われる年齢となったベテランアイドルグループだが、その人気はいまだ衰えることを知らない。

ももクロに続くグループとして次に挙げられるのが、「エビ中」こと、私立恵比寿中学とTEAM SHACHI。エビ中は、スタプラでは珍しくメンバーチェンジを繰り返し、変化と進化を続けて来たグループだ。現在のメンバーは10人で、上は26歳、下は15歳という年齢幅。初期の頃のモー娘。にも似た構成である。そして、TEAM SHACHIは、名古屋を拠点に活動するグループ。「チームしゃちほこ」としてデビューし、メンバー脱退やグループ名の変更を経て、現在は、ももクロと同じ4人体制に落ち着き、精力的な活動を続けている。

さらに、TEAM SHACHI以降も、地方グループが次々と誕生。福岡を拠点に活動するばってん少女隊と東北地方出身メンバーで結成されたいぎなり東北産は、それぞれ、地元の方言等を交えたナンバーを積極的に歌っている。

他にも、『すきっ!〜超Ver〜』が大バズリした超ときめき▽宣伝部や、昨年夏のももクロのメットライフドームLIVEでオープニングアクトを務めたAMEFURASSHI、CROWN POP、ukka、残念ながら4月15日に解散してしまうB.O.L.Tなど個性派グループが揃っている。

そんなスタプラの各グループには、様々なドラマやストーリーがある。例えば、いぎなり東北産の橘花怜は、東日本大震災後にアイドルを目指し、ももクロの復興支援イベントの客席で踊っていたところをスカウトされ今に至っている。まさに、アイドル界のシンデレラストーリーである。

また、AMEFURASSHIやB.O.L.Tのメンバーの多くは、スターダストの高校生以下のメンバーが所属していたグループ・3B juniorの元メンバー。その頃、ももクロのスタジアムライブ等で、バックダンサーとして踊っていたメンバーもいて、過去のライブ映像では、そんなメンバー達の幼き頃の姿も観ることが出来る。

2019年からは、浪江女子発組合という新グループがスタプラに加わったのだが、総合プロデューサーは、ももクロの「あーりん」こと佐々木彩夏。そこに、AMEFURASSHIやB.O.L.Tのメンバーらが加わり、8人組アイドルグループとして、福島県浪江町を拠点に活動中だ。普段のグループの枠を超え、スタプラだからこそ実現した新グループ。そこには、ももクロが続けて来た復興支援の思いも込められているほか、ももクロのバックダンサーとして踊っていた少女達があーりんと同じグループとしてステージに立つ…といったエモいストーリーも含まれている。

このように、各グループにまつわるドラマやストーリー込みで、観る側の心を熱くしてくれるのがスタプラのアイドルグループの魅力なのだが、運営側も、そんなファンの思いに応えたコンテンツをいくつも用意している。代表的なもののひとつが、横浜アリーナで開催されているニッポン放送主催の「スタプラアイドルフェスティバル」だ。ここでは、ももクロがオブザーバー的な立ち位置でイベントを盛り上げ、妹グループの活躍を温かく見守っている。

毎回、バラエティに富んだ企画が用意されているのだが、ももクロ譲りの高いバラエティ能力を発揮し、会場を沸かせるメンバーも多い。各グループのライブパフォーマンスもしっかりとチェック出来るので、スタプラを全推ししつつも、特にイチ推しのグループやメンバーと出会えるチャンスでもある。

ちなみに、2021年の「スタプラアイドルフェスティバル」で、最も爪痕を残したグループがばってん少女隊だった。約10分間のライブの持ち時間、代表曲を3曲ほどパフォーマンスするグループがほとんどだった中で、『OiSa』といキラーチューンをループして、ロングバージョンでパフォーマンス。持ち時間をすべて使って、『OiSa』1曲だけを歌い切り、会場のファンを驚かせた。このように、全グループごとのライブパートも楽しめるほか、メドレーやコラボも沢山見られるので、一気にスタプラ沼にハマることが出来る。今年も開催されるようだったら、是非、このイベントには注目しておいて欲しい。

さらに、スタプラ運営側が力を入れている「スタコミュ」というサービスもある。こちらは、スタプラ所属メンバーによるライブ配信やラジオ等のコンテンツが楽しめるエンタメアプリ。今年1月には、サービス開始1周年を記念し、「スタコミュAWARD」と題したイベントも開催した。1年間で、実に1500本以上も行われたライブ配信の中から、最多配信部門、ベストクリエイター部門、ベストクセスゴ部門、ベストコラボ部門などの表彰を行った。最終的に、アワードという形に落とし込むあたりは、流石エンタメのプロ、スターダストといった感じである。

他にも、アルフィーの坂崎幸之助とももクロの玉井詩織がホストを務めるCSの音楽番組『しおこうじ玉井詩織×坂崎幸之助のももいろフォーク村NEXT』にも、たびたび、スタプラの若手メンバーが登場している。ここでは、様々なカバーやゲストアーティストとの共演が観られるほか、1人1人の歌唱力も味わえるので、さらにどっぷりとスタプラ沼にハマれること間違いなし。音楽好きなファンには是非チェックして欲しい番組だ。

今回は、スタプラをフィーチャーしてきたが、冒頭で伝えたように、ハロプロやWACK等でも“全推し”を全力で楽しんでいるファンが多いことだろう。それぞれ、合同ライブ以外にも様々な取り組みを行っているので、次回また、他事務所の“全推し”の楽しみ方についても紹介したい。

※▽=ハート表記

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