モデルとしてデビューし、今ではバラエティ番組に引っ張りだこの堀田 茜さん。

女優という肩書きで語られる事も増えたこの数年。彼女の葛藤と、意識の変化とは?

個性あふれる代々木上原のイタリアンでのインタビューを、今日と2日(日)の2回に渡ってお届けします!



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「駅から歩いてすぐのところに、こんな素敵なお店があったなんて」

『brutto』での食事シーンの撮影を終えた堀田 茜さんは、興奮気味に言った。

幼稚園から高校までの約15年間を小田急沿線で過ごした彼女にとって、代々木上原界隈は慣れ親しんだ地。同級生の家を訪ねるために降り立つことも珍しくなかった。

大学を卒業して、モデルの仕事をスタートすると、再び代々木上原が身近な存在になったという。


「センスを感じさせる街で、お気に入りがあるのは素敵なこと」


「雑誌の編集者さんがよく食事に連れて行ってくれたんです。

子どもの頃には気づきませんでしたが、粋な大人がカウンターを埋めるお鮨屋さんとか、住宅街に潜む隠れ家的なレストランとか、センスを感じさせるお店が点在している。

その中に自分のお気に入りがあるのは素敵なことだと思いました」

代々木上原は都心の一等地にして、喧騒に煩わされず、独特の気品と風格を漂わせる。

そんな街に堀田さんは惹きつけられ、今でも定期的に足を運んでいるというので、「行きつけがあれば教えてほしい」とリクエストしてみた。

すると、彼女は遠慮がちに「すみません、代々木上原よりちょっと先の下北沢になってしまうのですが……(笑)。大好きな博多焼き鳥のお店があるんです」と断ってから、嬉々として話し始めた。

「そのお店は、酢醤油がかかったキャベツと一緒に豚バラや野菜などの串をいただくのですが、何を食べても美味しくて、お酒が進んでしまいます。

中でもイチオシはトマト焼き!焼いたトマトの美味しさを、私はこのお店に教えてもらいました」




堀田さんの口調が淀みなく、瞳があまりに澄んでいたので、思わず「食いしん坊なんですね」という言葉が口をついて出た。

それを受けた彼女は朗らかに笑って、次の言葉を継いだ。

「食体験には恵まれてきた方だと思います。

モデルとして参加する撮影現場では、グルメなスタッフさんたちからいろいろな情報を得られますし、海外ロケに行けば、現地のコーディネイターさんがその土地ならではの美味しいレストランをピックアップしてくださる。

『世界の果てまでイッテQ!』では、世界中の都市でさまざまな料理に出合いました。去年、出川(哲朗)さんと一緒に行ったイタリアで食べたパスタは本当に美味しかったですね。

塩、牛乳、チーズ、そしてトリュフを使っただけの、まさに今日のオムレツのようなシンプルなお料理。それでいて素材の美味しさがきちんと生かされていたのが、強く印象に残っています」


「コンプレックスを逆手にとって、自分の強みを追求していきたい」


聞くところによれば、芝居を始めた当初は“モデルあがり”“バラエティあがり”と撮影現場で言われ、悔しい思いを味わったらしい。

だが、彼女は挫けなかった。元来の負けず嫌いな性格に火がつき、いつか見返してやると心を奮い立たせた。

そして、地道に経験を重ねていくうちに、女優という仕事に対して新しい発想も加わったという。

「コンプレックスを逆手にとってみようと。モデルやバラエティでいろいろなお仕事をさせていただいたから、こうしてチャンスをもらえているかもしれない。

別の分野を経験したからこそできる表現もきっとある。自分らしい強みを追求していくのも悪くないのではないか、って」


「年末年始に欧州を旅してみて仕事への価値観も変わった」


昨年末から今年にかけての年末年始は、社会人になって一番長い休暇を取得し、海外でのんびりとした日々を過ごした。

「休むことにずっと罪悪感を覚えてきましたが、休息を挟むことでより良い仕事ができるようになるかもしれない、いったんリセットしよう、と思って。

せっかくなら行ったことがない国にしようという考えから、ドイツ、チェコ、スロバキア、オーストリアを巡りました。

もちろん列車のチケットは自分で手配するし、毎日食事するお店も決めなきゃいけない。普段頼りっぱなしだった部分で、使ってこなかった頭をフル回転させたおかげで覚醒した感じ(笑)。

スタッフさんへの感謝の気持ちが増すとともに、仕事への価値観も以前とは変わりました。仮に全部ダメになったとしても、地球のどこかしらで生きていけると、超ポジティブなマインドセットも身に付きました!」

そこまで話すと、堀田さんは残りのカットを撮影するためにカメラの前へと戻っていった。日は暮れかかり、街のあちこちに明かりが灯り始めていた。

男性と連れ立って入店するシーンでは、美しい足さばきを披露。モデルとしては小柄ながらも、服をきれいに見せる表現力はさすがの一言に尽きる。

「コンプレックスを逆手にとって、自分の強みを追求したい」。インタビュー中に彼女が語っていた言葉がふと思い出されて、ハッとした。


【後編】 4/2に公開!
■堀田 茜さんが臨場感満点の特等席で愉しんだ、代々木上原のカウンターイタリアン

■プロフィール
堀田 茜 1992年生まれ、東京都出身。モデル活動の他、『世界の果てまでイッテQ!』などのバラエティ番組で人気を博す。現在、主演ドラマ『恋と友情のあいだで』Specialが動画配信サービスFODで配信中。また3月28日(火)よりParaviで先行配信される『私と夫と夫の彼氏』でも主演を務める。

■衣装
[堀田さん]ジャケット 91,300円、トップス 49,500円、スカート 49,500円〈すべてマメ クロゴウチ/マメ クロゴウチ オンラインストア URL:www.mamekurogouchi.com〉、バッグ 405,900円〈セラピアン/リシュモン ジャパン セラピアン TEL:03-4461-8340〉、シューズ 207,900円〈マノロ ブラニク/ブルーベル・ジャパン TEL:03-5413-1050〉、イヤカフ 59,400円〈ラッツェル アンド ウォルフ/ザ・ウォール ショールーム TEL:03-5774-4001〉
[男性]スーツ 209,000円〈ラルディーニ/トヨダトレーディング プレスルーム TEL:03-5350-5567〉、カットソー 17,600円〈シックストックス/ノーデザイン TEL:03-6303-0866〉、コート 75,900円〈タイオーノット/ヘムトPR TEL:03-6721-0882〉、シューズ 75,900円〈ボードイン アンド ランジ/コロネット TEL:03-5216-6521〉

▶このほか:「まだまだ揺らいでしまう…」26歳を迎える今田美桜が語った、理想の女性像とは




東京カレンダー最新号では、堀田 茜さんのインタビュー全文をお読みいただけます。
東カレに語ってくれた、堀田さんが20代で感じていた焦りとは?そして30代を迎えた今、考える事とは?

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【未公開カット!】思わず目を細めながら、幸せそうな表情で味わう堀田さん

「カウンター越しに「できたて」が登場。デートも絶対盛り上がりますよね」。広々としたキッチンをカウンターが囲む店内。「調理の様子が丸見えなので、つい引き込まれてしまいます。横並びだと自然と会話も弾みますね」

『brutto』があるのは、代々木八幡駅から代々木上原方面に向かってすぐの好立地

「打ちたてのパスタが想像を超えるモチモチ食感で、堪らないです!」