キーデバイスの注目は、EOS R6 Mark IIと同じイメージセンサーとなるでしょう。画素数は有効2,420万画素と十分。しかも新シャープネス処理の採用により、3,000万画素に匹敵する解像感が得られるといいます。EOS R6 Mark IIのレビューでお伝えしたように、その解像感の高さはレタッチソフトで単純にシャープネスを上げたものと異なり、硬い印象を与えたり、ディテールの損失などはありません。イメージセンサーの特性に最適化されたカメラ内画像処理による癖のない自然な解像感の高さと述べてよいものです。最高感度は常用ISO102400を実現しています。高感度域におけるノイズの発生はよく抑えられているので、スナップなど日常的な撮影ではISOオートに設定しておいても写りは問題ないように思えます。
ボディに対しマウント径がとても大きく感じられるカメラ前面部。イメージセンサーは、EOS R6 Mark IIと同じ有効2,420万画素のフルサイズセンサーとなります。小型軽量のボディながら、防塵防滴構造を採用しているのも魅力です
AFもEOS R6 Mark IIと同様と考えてよいものです。一度捕捉した被写体を選択した測距点とは関係なくファインダー内で追い続けるトラッキング機能や、被写体をカメラが判断してピントを合わせ続ける被写体検出機能など、ここ最近登場しているEOS Rシステムと同じく搭載しています。測距点を素早く選択できるマルチコントローラーは搭載していませんが、このようなAFを活用すれば、さほど気にならないように思えます。さらに、絞りF22までの光束対応のAFも特筆すべき部分。例えば「RF800mm F11 IS STM」と「EXTENDER RF2×」との組み合わせでは開放絞り値F22となりますが、それでもAF撮影が楽しめるのです。しかも、ファインダーの像は一眼レフのようにレンズの開放F値に左右されることがなく、明るく快適。ミラーレスならではといったところです。
シャッター方式は、電子先幕シャッターと電子シャッターを搭載しています(メカシャッターはありません)。最高シャッター速度と最高コマ速については、電子先幕シャッターの場合で1/4000秒・6コマ/秒、電子シャッターでは1/8000秒・40コマ/秒となります。電子シャッターの場合、問題となりやすいローリングシャッターゆがみについては、EOS R6 Mark IIと同様によく抑えられており、高速で目の前を通り過ぎる被写体を追いかけるような撮影条件でない限り発生することはないように思えます。
「検出する被写体」を「乗り物優先」に設定してみたのですが、船舶には対応していないので、カメラは通常の全域AFでピントを合わせています EOS R8・RF 24-50mm F4.5-6.3 IS STM・シーンインテリジェンスオートモード(絞りF6.3・1/100秒)・ISO100・WBオート・JPEG
駐車場の片隅に咲いていた季節外れのバラ。低いフェンス越しにあり、それを越すように手を伸ばして撮影しています。レンズ側の手ブレ補正機構によりブレもなく写真に収めることができました EOS R8・RF 24-50mm F4.5-6.3 IS STM・シーンインテリジェンスオートモード(絞りF7.1・1/125秒)・ISO100・WBオート・JPEG
シーンインテリジェンスオートモードで撮影。カメラは手前の椅子にピントを合わせています。露出もカメラ任せですが、思い通りの結果が得られました EOS R8・RF 24-50mm F4.5-6.3 IS STM・シーンインテリジェンスオートモードE(絞りF6.3・1/200秒)・ISO800・WBオート・JPEG
こちらもシーンインテリジェンスオートモードでの撮影となります。背景の空に露出が引っ張られるかなと思いましたが、まあまあの結果。ピントは「新港さん橋」と書かれたあたりに合わせています EOS R8・RF 24-50mm F4.5-6.3 IS STM・シーンインテリジェンスオートモード(絞りF9・1/200秒)・ISO100・WBオート・JPEG
スペシャルシーンモードの「HDR逆光補正」での撮影となります。空は白くならず、クレーンの明るさがちょうどよい感じに仕上がりました EOS R8・RF 24-50mm F4.5-6.3 IS STM・スペシャルシーンモード(絞りF5・1/640秒)・ISO100・WBオート・JPEG
EOS R6 Mark IIの簡略版ともいえる本モデル。小型軽量なフルサイズ機ながらスペックに不足を感じるようなところは見当たらず、エントリー機としての位置付けを考えた場合とても満足できるモデルに仕上がっています。上位モデルと異なり、サブ電子ダイヤル1やマルチコントローラーなどが省略されていますが、むしろ割り切った操作性により、シンプルにフルサイズの写りが楽しみたい写真愛好家に訴求でき、それは“フルサイズKiss”と例えてよいかもしれません。
露出補正などせず、カメラ任せのいわゆる“出た目”で撮影しています。金属の質感などリアルに再現しているように思えます EOS R8・RF 24-50mm F4.5-6.3 IS STM・シーンインテリジェンスオートモード(絞りF6.3・1/100秒)・ISO250・WBオート・JPEG
これは意図的にアンダーに仕上げてみました。塔を測距点が選ぶとその明るさに合わせた露出となるため、一度雲の切れ間に向かってピントを合わせ、フォーカスロックをかけた状態のままアングルを決め撮影しています EOS R8・RF 24-50mm F4.5-6.3 IS STM・シーンインテリジェンスオートモード(絞りF13・1/400秒)・ISO150・WBオート・JPEG
カメラは右側の枯れた花にピントを合わせています。露出はカメラが決めたいわゆる“出た目”ですが、もう半段ほど暗いとさらに雰囲気ある写真になったかなと思います EOS R8・RF 24-50mm F4.5-6.3 IS STM・シーンインテリジェンスオートモード(絞りF6.3・1/100秒)・ISO640・WBオート・JPEG
クリエイティブアシストと呼ばれる機能で「明るさ」を調整して撮影。雰囲気のある画面濃度になったように思えます。クリエイティブアシストは、同モデルのユーザーであれば覚えておきたい機能といえます EOS R8・RF 24-50mm F4.5-6.3 IS STM・シーンインテリジェンスオートモード(絞りF5.6・1/100秒)・+0.67EV補正・ISO140・WBオート・JPEG
こちらもクリエイティブアシストと呼ばれる機能で、「明るさ」を補正した写真となります。そのままでは空の明るさに引っ張られ、被写体は暗く写ってしまう可能性が高かったのですが、露出補正により明るくスッキリした写りとなりました EOS R8・RF 24-50mm F4.5-6.3 IS STM・シーンインテリジェンスオートモード(絞りF4.5・1/60秒)・+1.33EV補正・ISO160・WBオート・JPEG