KDDIが携帯電話用の埋設型5G基地局を運用開始!

KDDIは9日、日本国内の通信事業者として初めて埋設型5G基地局の運用を2022年12月に開始したと発表しています。運用を開始した埋設型5G基地局はKDDI大手町ビル内敷地(東京都千代田区大手町)に設置しており、今後、この基地局の活用によって美観地区などの景観への配慮が必要な場所のエリア化の加速をめざすとのこと。

なお、同社では埋設型基地局を2018年から埋設型基地局の商用運用開始に向けた検討を進め、2022年12月にこの埋設型5G基地局の電波発射に成功し、2023年2月まで電波伝搬特性などの検証を行った結果、半径約50mの通信エリアが確保できることを確認したとしています。


従来の鉄塔設置型やビル屋上設置型の基地局は基地局アンテナが露出していることで景観に影響を与える可能性があるため、美観地区などのエリア整備にはさまざまな工夫が必要となっていました。その解決手段の1つとして基地局設備を地中(地表面下)に設置する埋設型基地局の導入が期待されているとのこと。そのため、2021年7月には埋設型基地局を対象とした総務省の電波防護指針の新制度が施行されています。

そうした中で今回、KDDIでは埋設型5G基地局をKDDI大手町ビル内敷地に設置し、電波伝搬特性などの検証を行い、半径約50mの通信エリアが確保できることを確認したということです。この埋没型5G基地局は線機やアンテナなど電波放射に必要な機器を地中に埋設した筐体内に収納することで景観に配慮した設置が可能となり、また上方に電波を輻射することで地上に沿ってエリア化します。


基地局は防水性の高い金属製の筐体を採用し、浸水への耐性も考慮した設計となっているほか、アンテナが地中にあることから強風の影響も受けにくくなっているということです。同社では既存の基地局設置形態にとらわれない新しいコンセプトの基地局の開発を継続し、今後もサービスエリア拡大や品質向上およびより利用しやすい環境の整備を進めていくとしています。

記事執筆:memn0ck


■関連リンク
・エスマックス(S-MAX)
・エスマックス(S-MAX) smaxjp on Twitter
・S-MAX - Facebookページ
・国内初、ハンドホール形状の埋設型5G基地局を運用開始 | 2023年 | KDDI株式会社
・KDDI株式会社――Tomorrow, Together