夫と交際期間中からセックスレス気味だったというESSE読者の主婦・由紀さん(仮名・32歳)にお話を伺いました。親族問題も勃発するなか、疲弊していく夫を励ましながらの結婚生活。レス解消のきっかけをつくったのは、夫の意外な告白でした。

20代のうちに始めたかった「妊活」

新婚時代からセックスレスだった私たち夫婦。雑誌などで不妊治療について読んでおり、女性は年齢を重ねるほど妊娠しにくくなると知っていました。なので、できれば早めに妊活をしたいと思っていたのです。

●タイミングをとったらすんなり妊娠!

夫と話して、レスではあるものの、タイミング法を試してみることに。

月に一度の排卵日、その数日前のタイミングを夫に知らせてしてみたら、意外なことにすぐに妊娠することができました。

初期に切迫流産の診断が出たり、つわりも少し重めではありましたが、無事にかわいい女の子が誕生しました。

●まっすぐすぎる夫。親族問題が激化する中の子育て

子どもが生まれて幸せではありましたが、義理の両親、義理の兄夫婦との間で起きた「家業の跡継ぎ問題」に巻き込まれた夫は、相変わらず大変そう。

もともとはすごく仲のいい家庭だったし、義理の兄夫婦にも同じ年に男の子が誕生したこともあり、私は子ども同士を一緒に遊ばせたりしたいなと思っていました。でも、夫が傷ついていることも近くで見ており、義兄夫婦との関わりもどうしたらいいかわからず。

自分の親族の問題とはいえ、夫は義理人情を重んじるタイプで、まっすぐすぎる人。許せないことがいろいろあったのだと思います。

なにか私が力になれることはないかとずっと考えていましたが、子どもが生まれてからはだんだん余裕もなくなっていきました。

意図的に夫を避けてしまった。産後レス解消のきっかけは?

新生児のころは3時間おきの授乳のため、寝る間もない状態でフラフラでした。

けれど夫も赤ちゃんのオムツ替えや沐浴、ミルクをつくったり哺乳瓶を洗って消毒したりなど、なんでも手際よくこなしてくれて、体力的にはキツかったけれど精神的にはすごく心強かったです。

●忙しいからこそ、自分の時間が必要だった

赤ちゃんが早く寝てくれたときには、私はたまっている家事をこなし、あいた時間に読みたかった本に没頭。育児で疲れてはいたものの、夜のちょっとした隙間時間に、自分の趣味をすることが楽しみになりました。

一方、夫が、いちゃいちゃしたそうな雰囲気を漂わせてきても、うっとうしいなと思ってしまって。わざと避けたり、忙しそうな素振りを見せたことも。

やっと確保できた自分の時間を守るために、夫を遠ざけるような態度を意図的に取ってしまいました。

●妻に拒否された夫。ついに限界がきた

そんなある日、「自分は性欲がある方だから、あんまりそういう態度を取られるとつらい」という夫から突然の告白。
結婚前から頻度が少なく、夫が淡白なことがレスの原因だと思っていたので、本人がそういう風に思っていたことにびっくりしました。

●普通ならコソっと浮気しちゃうだろうな

私自身は、それほど性欲はない方で、セックスがなくても仲よくしていられるなら全然問題がないくらいに思っていました。とくに産後は体も限界だし、ホルモンバランスも大きく崩れていて、極端にイラっとした雰囲気を出したりしていた自覚も。夫に心境を打ち明けられたときは、すごく反省しました。

夫「あまり強くは言いたくないけれど、このままじゃ、そういうお店にいこうかなって考えちゃうよ…」

そう言われて、ハッとしました。自分はなくても大丈夫だからって相手もそうだとは限らないんだと。

それに、普通だったらそんなこと、いちいち妻に言わないでコソっとお店を利用しちゃうような場面かもしれないのに、ちゃんと私に気持ちを伝えてくれた夫のまっすぐさがとても愛しくなりました。

●子どもが生まれてから変化していった「夫婦愛」

子どもが生まれるとどうしても愛情の重心が、夫から子どもへ移ってしまい、セックスしたいという気持ちになりづらい状況に陥りがちです。でもうちの場合は、夫がストレートに私へ本音を伝えてくれたので、産後から半年という比較的早いタイミングで夫婦生活が復活しました。
夫のためにと思っていざ行為に及んでみたら、こういうコミュニケーションって大切だったんだなと痛感。

●時間が解決する問題もある

あれから1年が過ぎ、夫と義理の両親はなんとか和解。保育園へ通い出した娘に、おじいちゃん、おばあちゃんを会わせてあげることがやっと叶いました。

義理の兄夫婦からも謝りたいと言われているのですが、夫はまだ気持ちの整理がついていない様子。でもいつか時間が解決してくれればいいなと思っています。

80歳を過ぎた私の祖母からは「弟や妹をつくってやんないとかわいそうだ。もうひとり生みなさいよ」などと、ストレートに言われることがあるのですが、レスを早めに解決できたから、私も気持ちに余裕があって笑って受け止めることができています。

もしもあのとき、夫が私に気持ちを話してくれなかったら、私はもう一生なくてもいいかな、くらい思っていたかもしれません。レスが長期化したり、不倫へと走られたりしていたら、思い出せなかったかもしれない夫への愛。取り返しがつかないことになっていたかもしれない夫婦関係。
気持ちを打ち明けてきてくれた夫への愛を忘れないように、できるときにはなるべく夫と二人の時間をつくりたいと思っています。