間取りを考える際、しっかり検討しておきたいのが、使いやすい収納のこと。「使う場所のすぐ近くに、収納がある間取り」にすると、片づけや家事が本当にラクになります。この間取りを採用した、元気な子ども2人を育てる日刊住まいライターも、実際にこのメリットを実感。「とくにやっておいてよかった」と感じる工夫を紹介します。

使う場所のすぐ隣に収納がある間取り。使いやすい&片づけラク

わが家は夫婦、8歳の長男、6歳の二男の4人暮らし。2年前にハウスメーカーで、注文住宅を建てました。2階建で間取りは、以下のようになっています。

1階:LDK+趣味室(楽器の演奏ができる)
2階:浴室、洗面所、主寝室、子ども部屋

間取りを決める際は、収納スペースのとり方にこだわりました。「ものを使う場所のすぐそばに、しまえる場所がある」「収納スペースの見え方に、圧迫感が出ないようにする」ということに気を使って計画しています。

なかでも「こうしておいてよかった」こと、とくに満足度の高い収納プラン4つを紹介しましょう。1階部分では、パントリー、趣味室の収納、スタディースペース収納の3つ。

 

2階では、ランドリールーム(写真ではU・Tとなっている場所)になります。

 

アクセスしやすく、かつ、圧迫感をなくした絶妙パントリー

わが家のキッチンには、オープン型のパントリーがあります。料理中でもサッとものが出し入れしやすよう、あえて扉はつけていません。実際、作業がワンアクションですむので、とても使いやすい。じつはこのパントリー回りの間取りが、わが家の場合とても絶妙なのです。

 

パントリーがあるのは、写真中央の白い壁の裏。アイランドキッチンの通路の延長上にあって、アクセスしやすい位置関係に。

 

こちらはダイニングから見た様子。パントリーがあるのは、白い壁の裏になります。

写真からもわかるように、パントリーの存在はダイニング、そしてリビングからは完全に隠れた状態。おかげで、圧迫感はなく、見た目がすっきりしています。

パントリーは、多くのストック品や予期せぬいただきものなどで、どうしても煩雑になりがちです。しかし、このように目隠し壁をつくって、その裏をパントリーにしてしまえば、外からの見た目を気にしなくてもOK。ストレスがありません。

ちなみにわが家では、急な来客時、ものの隠し場所としても、パントリーが役立っています。なお、冷蔵庫の右側にも隠し壁があるのは、リビングから見えないようにするため。少しでも冷蔵庫の存在感を軽くしようというアイデアです。

 

スタディースペースに大容量の収納があると効率アップ

わが家は、ダイニングやキッチンとスタディースペースが一体となった間取りになっています。スタディースペースは現在、おもに筆者が仕事で使っていて、将来は子どもが、大人が一緒に勉強する場所にもなる予定。

 

カウンターデスクの両サイドは、収納棚になっています。座って左の棚には、書類関係、紙ゴミ置き場、プリンターや、テープライターなど、こまごまとした生活用品を。

また棚の一部を、夫婦のカバン置き場にしました。これがすごく便利。デスクで作業中に、カバンから必要なものを取り出したり、完成したものをカバンにすぐ入れられたり。作業がシームレスに進んで、ストレスがありません。

このデスクは、LDKから丸見えになります。でも、両脇にあるたっぷりの収納棚のおかげで、片づけがラク。散らかる心配がありません。

 

ちなみに筆者は、書類をためないように、まずこのデスクでチェックして、必要なものだけファイルボックスに入れて保存する習慣に。

キッチンのすぐそばに、この手の作業ができる場所があると快適。調理中の隙間時間に書類を整理したり、見直したりもスムーズです。

紙を捨てるゴミ箱をここにしたのも正解。書類のチェックと片づけを、あと回しにしなくなりました。もしも、スタディースペースにこの収納を組み込んでいなかったら、ズボラな筆者は、書類をため込んでいたかも…。

 

リビングに必要なものを隣の部屋に収納してすっきり!

わが家にはリビングに隣接して、趣味室があります。リビングは、すっきりとした見た目にしたかったので、収納スペースはつくりませんでした。代わりに、この趣味室に設けることに。

趣味室とダイニングの間の壁を、収納棚としています。コードレス掃除機、子どもの本、掃除用品などを収納。どれも、リビングですぐに使いたいものです(もちろん、趣味室でも利用)。

筆者は家づくりの際、掃除機や本をどこに収納するか、かなり検討しました。そして、リビングから、サッとアクセスできるこの場所が最適だと判断。

実際、この位置なら、子どもたちも自分の本をちゃんと片づけられます。大人も頻繁に使う掃除用品を快適に出し入れ。そのうえ、リビングからは、この手の生活感あるものが見えず、視覚的にもすっきりしています。計画通りの結果に。

 

ちなみに、この棚は可動式。コードレス掃除機の高さに合わせて使えます。設計士に相談して、収納の内側にコンセントもつけました。延長コードが不要で充電ができて、すっきりとした収まりに。

「脱ぐ、着る、洗う」の中心に収納スペースを

2階には「浴室/洗面脱衣室/ランドリールーム」が並んでいます。建具で仕切っているだけなので、あけ放てばひとつながりの空間に。

 

ランドリールームには、家族4人のパジャマ置き場があります。写真の棚の部分がそれ。棚は可動式になっています。

パジャマ置き場をここにしたのは、「朝の着替え」「風呂上がりの着衣」「洗濯」「物干し」といった行動がとてもスムーズになるから。家づくりの際は、ここまで具体的にイメージして、間取りを決めました。

棚にはパジャマのほかに、大きめの洗濯ネットや予備のピンチハンガー、シーズンオフのパジャマなども収納。

 

足元は除湿機、ヒーター(夏は扇風機)を置ける仕組みに。筆者は部屋干し派なので、この位置に快適に収納したかったのです。内部にはコンセントも設置。棚下に収納できると、ロボット掃除機を動かしている際も、本体やコードがジャマになりません。

 

ちなみに筆者は、除湿機をキャスター台に乗せて使っています。使うときだけ引き出して、終わったら転がして戻すだけ。とてもスムーズです。

以上、わが家の収納アイデアでした。遊びに来た母が「子どもたちがいるのに、いつ来てもすっきり片づいていて、すごいね!」と言ってくれたのですが…。正直、筆者は特別ガンバっていません。収納場所が目の前にあるから、家族が自然と片づけてくれるのです。使う場所のすぐ近くに収納場所がある間取りだと、片づけのハードルは家族みんなにとって確実に下がることに。散らかりにくく、家事がラクになります。