長く暮らしていると、食器棚には食器がどんどん増えてしまいます。よく使うもの、使わないものが一緒になっていると、少し使いづらいもの。整理収納アドバイザーでブロガーの原田さよさんが、ご自身が実践した食器棚の片づけルールについて教えてくれました。

50代、老後のために食器を処分。捨てどきは?

私はものを捨てることに抵抗があって、なかなか整理がすすみませんでした。50歳のとき「このままでは探しものや同じものばかり買う日々が終わらない」と思い、重たい腰をあげて家じゅうの片づけをはじめました。

そんな私は現在59歳。時間をかけて片づけてきたからこそ、納得できた手放し方や残し方があります。今日はそのうちのひとつ、食器を減らす基準と持ち方のマイルールをまとめてみました。

わが家の食器は、この食器棚にあるぶんと、食器洗浄乾燥機に今入っている数枚です。このぐらいが、管理もできて楽しめる、わが家にちょうどいい量です。

●食器を減らすときに確かめているポイント

食器を減らすときに見てきたポイントは次のようになります。これからの暮らしにはなくてもいいと思えた食器です。
・使えるが、使いにくくなってきた食器(重たい食器、使いづらいお箸など)

・出番がなくなってきた食器(大きなお皿、○○専用スプーンなど)

・重ねると、かさ高くなる食器(食器棚から出し入れしにくい)
・デザインが古いと感じる、セットもので半端に残っていて使わないなど、もう好きではない食器

いつのまにか重たい食器は手に取らなくなり、大きなお皿を使って料理を取り分けるということもなくなっていました。また、若い頃と違い、これからは好きな食器でゆっくりおいしく食べたいと思うように。そういった、使いたい食器が出し入れしにくいことも、今のうちに改善しておきたいと思いました。

●残しておきたい食器とは?

残すか捨てるかで迷ったときは、次のように考えて残す食器を決めていました。

・使っているイメージがちゃんと思い浮かぶ(用途がはっきりしている)
・収納スペースに入る
・好き、気分が上がる
整理して残す食器はどれもスタメンであってほしい。でも私は、滅多に使わなくても好きな食器は残しました。食器は料理を引き立てるだけでなく、それが自分好みのものだというだけで心も華やぐと思っていたからです。
ただし、食器は食器棚に収まる分だけというのをマイルールにしています。こうしておけば、前のように押入れや納戸に入れっぱなしになってしまうというのは避けられます。

数は少なめでも、高価なものじゃなくても、自分が好きな食器なら楽しく料理を盛りつけられるし、食べたあとの片づけも気分よくできると思います。

●食器を減らしてよかったこと

私が食器を減らしてよかったと思うのは、持っている食器をまんべんなく使えるようになったことと、使いたい食器の出し入れがラクになったことです。

これは、単に便利というだけなく満足度が上がることにもつながりました。「たしかあのお皿があったはず」と思ってすぐ食器棚から出してこれると、だし巻き卵ひとつでもおいしく食べられます。

 

●体力気力のあるうちに、処分できるものはしておく

私は50代に入ってから、体力気力のあるうちに片づけておきたいと切実に思うようになりました。まずやめたいと思っていたのが、「使っていないモノで収納がいっぱい」「ふだんよく使うものの出し入れがしにくい」ということでした。

とくに気になっていたのが、毎日3回以上は使うキッチンです。かつてのわが家の食器棚には、収まりきらないほどの食器がありました。可愛いなと思ったら買っていたし、割れてもいない食器を捨てることはなかったし、昔は引き出物などのお返しで食器をもらうことも多かったため、どんどん増やしてしまいました。

今は、使いやすくなった食器棚に満足しています。整理には時間がかかったけれど、精神的にもラクになりました。
「食器が多すぎて使いたい食器をすぐ出せない」とか、「どこかにしまったはずだけど見つからない食器がある」とか、「好きな食器をもっと使いたいのにうまくできない」などで困っていませんか。ぜひ一度、食器棚のなかを見直してみてくださいね。