家族の人数が減ったり、ライフスタイルが変わったり…これからの暮らしについて考え始める40代、50代に大切なのは、自分にとって最適なものの量を知ることと役目を終えた品々を手放していくこと。

ここでは、現在発売中の『オトナ世代の 今度こそ捨てる!』(扶桑社刊)にも登場している断捨離の提唱者・やましたひでこさんに、ものとの向き合い方を教えてもらいました。

【写真】やましたさんの美しいキッチン

やましたひでこさんに聞いた「断捨離の始め方」。ものを捨てると、自分自身が見えてくる

私が「断捨離」のベースとなる「断行・捨行・離行」という考え方を知ったのは、20代の頃。「余計なものをそぎ落とすと、本当の自分が見えてくる」というインド哲学の教えですが、当時は知識を得ただけ。すっと自分の中に落ちてきたのは、30代になってから。インド哲学の教えを知っていても、実際はタンスの中身すら整理できないと、同じ先生の元で学んだ先輩が発した言葉によってでした。

余計なものをそぎ落とす(捨てる)ことは、自分自身を知ること。まずはタンスの中から。これが「断捨離」のスタートでした。

 

自分の基準も持ち物も決めつけず、どんどんアップデート

断捨離を始めた頃は、夫の実家で義父母と同居生活。自分に自信がなく、「いい嫁」を演じていましたが、家にあふれるものの断捨離を進めるうちに、気持ちが強くなり、やりたいことや言いたいことをためらわないようになっていきました。

捨てることは選ぶこと。本当に欲しいものを見いだし、希望の道に踏み出すための第一歩です。だからこそ、私にも変化が起きました。ものを処分しようと思っても「今は時間がないから」などと「できない理由」を探しがちです。でも、理想的な状況はなかなか訪れません。まずは引き出し1段分だけでも断捨離し、お気に入りの空間をつくってみてください。

心地いい空間ができると、心身ともに安定しますが、安定は固定とは別のもの。そのときどきの状況に応じてたしては引き、引いてはたし、アップデートしましょう。

断捨離もタイプがいろいろ。あなたはどのタイプ?

やましたさん曰く、断捨離もタイプがいろいろあるそう。みなさんはどのタイプが当てはまりますか?

●カタツムリ派

時間をかけて、地道に断捨離を進めるタイプ。なかなか片づかないけれど、いずれものの処理も追いついてくる。このタイプは仲間と一緒に、助言し合いながら進めるのがおすすめ。

●過激派

「捨」の気持ちが強く、いらないと思ったものを迷わず一度にドーンと捨てられるタイプ。ただし「捨てたまま」で、またものがたまりがちなので、繰り返し断捨離すると効果的。

●ローラー派

断捨離が成功すると、一度に完璧を求めず、状況に応じて臨機応変にものを処分し、循環させられるように。過激派もカタツムリ派も断捨離が進むうちにローラー派になっていきます。

 

発売中の『オトナ世代の 今度こそ捨てる!』(扶桑社)では、そろそろセカンドライフについて考え始める世代に向け、上手な「捨て方」「片づけ方」をご紹介しています。“こんまり”こと近藤麻理恵さん、平野ノラさんも登場! 暮らし上手を参考に、家の中にも、自分自身にも、“ゆとり”を増やしてみませんか?