小学生で「お小遣い」を取り入れているご家庭も多いかと思います。2月から塾が新学年にきり替わったり、4月から新しく習い事を始めるタイミングで、一人で行動する子どもがお金を欲しがるケースも。「“基本給+出来高制”がうまく回っています」というのは、小学3年生の母で、「65点の暮らし方」について発信している整理収納アドバイザーのハギヤマジュンコさん。詳しく教えていただきました。

小学生のお小遣い。出来高制で思わぬメリットも

わが家の娘は、4月で4年生。最近ママ友と話題になるのが「お小遣い、もうあげている?」「お小遣い、いくらあげている?」ということです。
お金のことってなかなか人に聞きづらいし、それぞれのお家によって事情も違います。
ここではわが家で最近始めたお小遣いのこと、お小遣いの金額の決め方、渡すことのメリットをご紹介します。

【写真】出来高は自己申告制。アクセスのいい冷蔵庫に貼って管理

●お小遣いを渡し始めたきっかけは「習い事」

じつはわが家では、最近まではお小遣いを渡していませんでした。
娘1人で出かけることがなかったし、娘1人でお買い物をする必要もなかったため、必要なとき一緒にお買い物に行き、私の財布(もしくは夫の財布)からお金を出すシステムでとくに不便がなかったのです。

ところが、秋に新しい習い事を始めたことで変化が。新しい習い事、行きは私が送って行くのですが、帰りは電車で帰ってくるようになったのです。
電車の運賃は子ども用の交通系ICカードを持たせていますが、お友達と一緒に駅のそばにあるコンビニでお買い物をするようになりました。

子どもだけでお買い物をすることは賛否両論あるかもしれませんが、私は「そういうことも経験」だと考えています。
でもICカードで好きなだけ買ったり、子どもが欲しいという金額のお金を渡したりするのはよくないなと思ったのが、お小遣い制導入のきっかけです。

●わが家のお小遣いは「基本給+出来高制」

そこで決めたお小遣いが、「基本給+出来高制」。
基本給は、3年生なので300円にしようか? とも思いましたが、私が子どもの頃に学年数でお小遣いをもらっていたので、物価上昇に合わせてキリのいい500円に。

出来高制の仕組みはこうです。

(1)「がんばればできること」や「私からのお願いごと」で+10円〜50円

たとえば、

朝、一人で起きる +10

お風呂洗い +10

お母さんの背中洗い +10

など。

(2)「できるのに人にお願いしたいこと」で−10〜50円

こちらは、

体洗い、頭洗い ー10

ドライヤーしてもらう ー10

など。

プラスだけでなく、マイナスをつくったのは、今は(1)にあるものを徐々に(2)に移行していきたいから。
というのは見せかけで、本音は、お風呂で体や頭を洗ったり、お風呂上がりのドライヤーを自主的にしてほしい! という願いからです。

●「出来高制お小遣い」による思わぬメリット

今まで欲しいときに欲しいものを買ってもらっていた娘。
正直、お金の価値やありがたみというものを理解できていたように私からは見えませんでした。

ですが、出来高制を取り入れてみると…。「100円のこれを買うには10ポイント貯めないとだめなのか…」「この値段高いなぁ」という台詞が聞かれるようになりました。

欲しいものができたときに値段を確認して、

商品にその値段が見合っているか?
その商品を買うためにどれだけのポイントを貯めないといけないか?
ということを自然と考えるようになったのです。

それは自分のお財布からお金を出すときだけでなく、学用品や洋服、出かけ先で喉が渇いたときなど、私たち大人のお財布からお金を出すお買い物のときにも。
今まで考えなかったお金の価値を自分の肌で感じてくれるようになったのは、とてもよかったと思っています。

それに、お小遣い制にしてからは、習い事帰りのコンビニへの寄り道の回数がうんと減りました。娘に聞くと「がんばって貯めたのに、コンビニで使うなんてもったいない!」だそうです。

●タイミングも大事!お小遣い制の失敗談

せっかくなので失敗談も。じつはこの方法、娘が小学生になった3年前にも試したことがありました。ですが、そのときはまったく定着せず、あえなく失敗…。

理由は、1人でお買い物をする機会がまだない年齢だったこと。
「自分で欲しいものを買う」というのが、他人事ではなく自分事になっていた今だから成功した方法だと思っています。

4月には、習い事を新たに始めるお子さまも多いのではないでしょうか?
「基本給+出来高制」のお小遣い、お子様が買い物に興味を持たれたタイミングで始めてみてはどうでしょうか?