53歳の漫画家・古泉智浩さん。古泉さん夫婦と母(おばあちゃん)、里子から養子縁組した小2の長男・うーちゃん、同じく里子から養子になった5歳の長女・ぽん子ちゃんという家族5人で暮らしています。今回は、食いしん坊のぽん子ちゃんと、走り始めについてのお話です。

やせて体が軽くなった古泉さん。一方のぽん子ちゃんは…<古泉智浩の養子縁組やってみた106>

僕の趣味はマラソンとダイエットです。そもそもはマラソンがあまりに遅すぎて速くなるためにはダイエットが必要不可欠とのことで、それまで一切やる気のなかったダイエットを始めることにしました。
ところがやってみたらとてもうまく行きました。半年で85kgから73kgの12kg減で体が軽くなり、若い頃のスーツが着られて、健康診断の血液の数値が血圧以外すべて改善されて、53歳になっても向上することがあることに驚きました。

ESSEのオートミールレシピがすばらしく役に立って、今も継続して使っています。2022年は仕事の時間を削ってマラソンの練習をしていたため、稼ぎがさっぱりだったわりに満足度の高い一年でした。

 

●食いしん坊のぽん子ちゃん。なんとお兄ちゃんの体重を超えてしまい…

僕が糖質を避けている一方、5歳の養子のぽん子ちゃんは手当たり次第におやつを食べて、しかも保育園がお休みの日などはひっきりなしになにか食べていて、とうとう8歳のお兄ちゃんの体重を超えてしまいました。

抱っこをせがまれて、愛着を育むことが阻まれたらいけないと、持ち上げようとしても持ち上がらないことがあります。床からでは持ち上がらないのでイスに上ってもらったり、おんぶにさせてもらうなどします。

まだ肥満児のレベルではないですが、このまま行くとそうなってしまうことが予想されます。お兄ちゃんも、ぽん子ちゃんがじゃれついて後ろから乗っかられて、自分より重い相手に乗られたらたまらないだろうと思います。しかし、嫌がりはしてもそれほど怒るでもなく対応していて、頭が下がります。

お兄ちゃんはとにかくガリガリで、食べ物を与えてもらえない子みたいに見えるので、もっとごはんを食べてほしい。

●コロナ禍で味気ないお参り

お正月のことです。元日は雨で寒い日でした。うーちゃんはおばあちゃんの部屋でずっと寝ていて、ぽん子ちゃんと二人で近所の諏訪神社にお参りに行きました。
例年では、神棚から下ろしたしめ縄をお焚き上げするための大きな焚火があるのですが、コロナ渦のせいで神社の社で預かってもらうことになりました。しめ縄以外の袋やしめ縄をぐるっと包んでいた新聞紙などは持ち帰るように言われ、非常に味気ないものでした。

お賽銭を入れて柏手を打っても、別にそれなら普段からできるし、お焚き上げの火にあたって暖を取るのがご利益がありそうなお正月って感じではないですか。予備校生のとき、寒いのに友達と3人で朝まで夜通しお焚き上げにあたっていた記憶があります。
ぽん子ちゃんにも、焚火にしめ縄を放り込んで燃え上がるところを見せたかった。

●子どもたちとマラソン練習。食べ過ぎ対策になるかも

5月にハーフマラソンの大会に出たときに、東京マラソンの抽選に申し込んでいたらなんと当選しました。マラソンが趣味とは言え、僕は中級レベルなのでもっと上達してから挑戦したかったのですが、今後の人生で機会があるかどうか。自力で申し込んでも抽選で外れることが多いそうで、せっかくのチャンスなので申し込みました。
夢の舞台、東京マラソン。みっともない成績で終わるわけにはいかず、しっかり練習して当日を迎える必要があります。

1月2日は雨が降っておらず、マラソンの練習のチャンスだと着替えて出かけることにしました。
「ぽんこちゃんもいきたーい!」
ぽん子ちゃんに見つかってしまいました。

「すぐ帰ってくるからお家で待っててよ」
「やだ。ぽんこちゃんもはしりにいきたーいー!」

こうなってしまうと収まりがつきません。お兄ちゃんもここ最近ずっと天気が悪くて外で遊んでいないので誘ってみたところ、珍しいことに行くと言います。3人で走りに行くことにしました。
子どものペースに合わせていると全然体が温まらず凍えるのでダウンのベストを着て、遠くまで走ると帰りが大変なので、うーちゃんが通う小学校まで行くことにしました。

しかしこれでぽん子ちゃんが走るのが大好きになってくれたら、おやつの食べすぎ問題の対策になります。
幼児にダイエットはよくないと言いますが、お菓子ばかり食べているのは問題です。クッキーやチョコなどではなく、サツマイモや糖質オフのシリアルバーなどを用意していてもそれを全部食べてそのうえお菓子を食べます。
おやつを制限しようものなら、大騒ぎになって手がつけられません。なので運動でとりすぎのカロリーを消費してもらえればいちばんです。

ところがわずか数百メートルの小学校までゆっくり走っても、疲れただの足が痛いだのと言ってすぐ休もうとします。僕は体が寒くなるので体を動かしていたい。

「ほら、もうちょっとだよ。すぐ着くから。あそこだよ。見えてるでしょ」
何度も何度もそう言ってようやく小学校に着きました。ぽん子ちゃんとお兄ちゃんが、ジャングルジムに上ったり下りたり、平行棒を渡ったりして遊んでいる間、僕はじっとしていると寒いのでグラウンドをぐるぐる走っていました。

そうして子どもたちの気がすむまで遊んで、その間に数えていたらグラウンドを20周、4km走っていました。

●正月早々、いい走り始めとなりました

帰りは、家まで走ることにしました。このときもぽん子ちゃんはすぐに休もうとしていて、家に到着して僕が一人で走りに行こうとするともう、一緒に走りたいとは言いませんでした。

この日は15km走るつもりだったのだけれど、グラウンドで4km走っていたので、いつものコースに上乗せして合計21km。一人ハーフマラソンを正月早々走ることができて、子どもと一緒に走ることもできたし、いい走り始めとなりました。