出版事業や広告代理事業などは別会社に譲渡

 (株)クレタパブリッシング(TDB企業コード:984474723、資本金1000万円、東京都港区芝大門2-10-12、代表北村明広氏)と関係会社の(株)クレタ(TDB企業コード:987583768、資本金4000万円、同所、同代表)は、1月13日付けで、自己破産申請の準備に入った旨の張り紙を掲示した。事後処理を大宅達郎弁護士(東京都港区虎ノ門1-12-19、大江・田中・大宅法律事務所、電話03-6550-9064)ほか2名に一任している。

 (株)クレタパブリッシングは、1992年(平成4年)1月に設立された出版社。20〜60代の男性を主な読者層として、バイク初心者向けの『タンデムスタイル』のほか、バイクカスタム愛好者向けの『カスタムピープル』、女性ライダー向けの『Lady’s Bike』などバイク雑誌5誌のほか、音楽やファッションなどをテーマとした昭和40年代生まれの男性向けの『昭和40年男』などの出版を手がけていた。雑誌の企画、デザイン、取材、写真撮影、校正など編集業務および広告代理業務は関係会社の(株)クレタに委託。バイクに興味を持ち始めた層や乗り始めたばかりの層、カスタマイズを趣味とする層などターゲットを絞り込んだ企画を前面に打ち出すことで、先行するバイク誌と差別化を図り、2016年9月期には年売上高約3億4500万円を計上していた。

 しかし、バイク人口が減少するなか、インターネット上で様々な情報が得られるようになり、雑誌販売部数の落ち込みを余儀なくされ、2021年9月期の年売上高は約2億5000万円に減少。この間、一部雑誌を休刊するなど経営改善に努めたが、近時は新型コロナウイルス感染拡大の影響でイベントの開催もできず、先行きの見通しが立たなくなったことから、1月13日付で当社および(株)クレタの出版事業および広告代理事業、イベント事業を別会社に譲渡し、今回の事態となった。

 (株)クレタは、1991年(平成3年)3月に設立。(株)クレタパブリッシングに連鎖する形で今回の事態となった。

 なお、(株)クレタパブリッシングが出版していた定期雑誌は事業譲渡を受けた企業により、引き続き出版されている。