緊急時の試験走行中に脱線した次世代型路面電車「LRT」について宇都宮市は24日、専門家が現地調査した結果、左右のレールに高低差をつけたカーブの区間で車輪にかかる力のバランスが崩れて脱線した可能性があることを明らかにしました。

脱線事故は11月19日未明、JR宇都宮駅東口の停留場付近で緊急事態を想定して本来通らないルートを逆走させる試運転中に起きたもので、22日に原因を調査するため専門家2人が現地調査を行いました。

宇都宮市は、24日開いた市議会議員への説明の中で2人の考察を公表しました。それによりますと、脱線後のレールや舗装面に走行した跡が残っていることから先頭車両の内側のレールから脱線したことが推察されるということです。2両目は1両目の脱線後の衝撃で脱線したとみられます。

現場のカーブの区間には脱線しないように内側のレールが外側より2センチ低く作られていましたが、この区間に進入した際に車両にねじれが生じ、それが影響した可能性も指摘しています。

また、ドライブレコーダーの記録では車体が横に大きく揺れたことが確認されていて、レールに縦方向にかかる左右の車輪の力のバランスが崩れたことも考えらるとしています。

一方で車両やレールに構造上の大きな課題は確認されなかったとしていて、市は車両の横揺れと速度の影響などを調べるため専用の計測器を使った走行調査を追加で25日から全ての区間で行います。