Windows PCで使用するストレージは、S.M.A.R.T.と呼ばれる障害を予測するための情報を備えている。Self-Monitoring(自己監視)、Analysis(分析)、Reporting(レポート)、Technology(技術)の略称だが、Windows 11はNVMeデバイスに限定して一部情報を確認可能だ。

「Win」+「R」キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「ms-settings:disksandvolumes」と入力して「OK」ボタンをクリック/タップする

もしくは「設定」で「システム/記憶域/ディスクとボリューム」を開き、NVMeデバイス→「プロパティ」と順にクリック/タップする

「ドライブの正常性」セクションで、S.M.A.R.T.情報を元にした数値が確認できる

公式ヘルプによれば、予備容量不足や信頼性低下を検出すると通知を行うようだが、筆者は現在まで目にしていない。また、本機能はNVMeに限定され、SATA SSDやHDDでは未提供である。

SSDのプロパティページ。「ドライブの正常性」は存在しない

確認できる情報は、各種RAW情報から算出した「推定持続時間」、予備領域(Available Space)から得た「利用可能なスペア」、「温度」の3種類。エンドユーザーが必要な情報のみ提示する意図があるのだろう。本稿執筆時点では、Windows 11 Insider Preview(ビルド25197)でも情報範囲を拡大していない。

より多くの情報や、SSD/HDDのS.M.A.R.T.情報を知りたい場合は、ひよひよ氏の「CrystalDiskInfo」を使わせてもらうのがベストだ。常駐させれば一定期間ごとにデバイスを監視し、障害発生時はアラートを発してくれる。

ひよひよ氏の「CrystalDiskInfo」

著者 : 阿久津良和 あくつよしかず 1972年生まれのITライター。PC総合誌やDOS/V専門誌、Windows専門誌など、各PC雑誌の編集部員を経たのちに独立。WindowsとLinuxをこよなく愛しつつ、PC関連の著書を多数手がける。近年はBtoCにとどまらず、BtoBソリューションの取材やインタビューが主戦場。休肝日を設けず日々飲み続けてきたが、γ-GTP値が急激に増加し、早急な対応を求められている。 この著者の記事一覧はこちら