Cisco Talos Intelligence Groupは8月4日(米国時間)、「Cisco Talos Intelligence Group - Comprehensive Threat Intelligence: Attackers leveraging Dark Utilities "C2aaS" platform in malware campaigns」において、「Dark Utilities」と呼ばれる、新たなC2(Command and Control)プラットフォームを利用したマルウェアが登場したことを伝えた。

Cisco Talos Intelligence Group - Comprehensive Threat Intelligence: Attackers leveraging Dark Utilities "C2aaS" platform in malware campaigns

Dark Utilitiesは、2022年初頭に登場したC2aaS(C2-as-a-Service)モデルで展開されているC2プラットフォーム。リモートシステムアクセス、DDoS機能、暗号資産マイニングなどさまざまなサービスが提供されている。またDiscordやTelegramのコミュニティも作成されており、技術サポートや支援が行われていることがわかった。

Dark Utilitiesはペイロードを提供し、被害者のシステム上にサービスを登録させ、コマンド&コントロール(C2: Command and Control)通信チャネルを確立する。現在、Windows、Linux、Pythonベースのペイロードがサポートされており、サイバー犯罪者は大きな開発リソースを必要とせずに複数のアーキテクチャをターゲットにすることができるようになっている。さらに継続的に開発されていることから、オペレーティングシステムやシステムアーキテクチャのサポートが拡大される可能性があるとされている。

Dark Utilitiesは9.99ユーロで販売されており、すでに約3,000人のユーザーが登録しているという。Cisco Talos Intelligence Groupは提供される機能の多さに比べて安価であることから、マルウェアのペイロードに独自のC2実装を必要とせずにシステムを侵害しようとするサイバー犯罪者にとってこのC2プラットフォームは魅力的であると指摘している。また、Dark Utilitiesを利用し、WindowsおよびLinuxを標的としたマルウェアキャンペーンが展開されていることも確認しているという。

Cisco Talos Intelligence Groupは今後も急速にユーザー数を増やしていくと予想しており、このプラットフォームを利用してC2を確立しようとするマルウェアのサンプル数が増加すると警告している。そして企業に対し、このようなC2aaSプラットフォームを認識して自社の環境を保護するためのセキュリティ管理を確実に行う必要があると助言している。