「これはチョット引く」女が良かれと思っている行為。でも実は、男からすると真逆なコトとは?
男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
-果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?
できなかった答えあわせを、今ここで。
今週のテーマは「半年間デートしていたのに、男がフェードアウトしていった理由は?」という質問。さて、その答えとは?
「真凜って、育ちの良さがにじみ出ているよね」
真凜から手渡された、銀座の老舗名店の和菓子。それを手にした僕の笑顔は、きっと張りついていたと思う。
「そうかな。当たり前のことをしているだけだよ」
そう言いながら、そそくさと冷蔵庫からビールを取り出し、僕の空いたグラスへ注いでくれる真凜。
彼女と出会って半年。たびたび家に呼んでいるので、期待させてしまった僕も悪いと思う。
「細やかな気遣いができない女の子のほうが、世の大半だから。真凜って、すぐに気がつくじゃん?今みたいなグラスが空になったとか、そういうことも含めて」
「ありがとう。そう言ってもらえると嬉しいけど、私がただ、鉄平のためにしたいだけだから」
― いや、そういうところだよ。
そう思いながら飲むビールは、いつもよりほろ苦く感じた。
悪い子じゃないのはわかっている。けれども彼女は、根本的に勘違いをしている。そして結婚に焦るばかり、男が求めることとは正反対の“奉仕”をしているのだ。
男が求めるのは、コレじゃない…?女からされたら、逆に怖いこととは?
A1:「元彼が最悪」と言ったこと。どうでもよく扱われる危険性あり。
真凜と出会ったのは、友人からの紹介。
僕は長年交際し、婚約までしていた彼女と別れたばかりでフリーになったタイミングだった。
可愛らしくて、少しおとなしそうな真凜。
ものすごくタイプとかではなかったけれど、今デート相手が誰もいないし、断る理由もない。
だから真凜から連絡が来たらすぐに返信をしたし、デートもした。
しかし思い返せば、最初から少し違和感があったのは否めない。それは初デートでもうかがえた。
真凜とのデート当日。この日に限って会議が珍しく長引いてしまい、僕はなんと待ち合わせの時間に20分も遅れてしまった。
こんな時は、とにかくひたすら謝るに限る。お店へ着き、真凜の姿を見るなり僕は誠心誠意謝った。
「真凜ちゃん、本当にごめん!!」
― ヤバい、どうしよう。初デートなのに…怒ってるよな。
しかし、真凜の反応は意外なものだった。
「いえいえ、大丈夫ですよ。待つのは慣れているので、本当に気にしないでください」
「そうなの?なんで?」
「前の彼氏が、すごい自己中な人だったんですよ(笑)」
― あ〜ナルホド。そっち系か。
この一言で、真凜への接し方が決まってしまった気がする。
「そうなんだ(笑)。こんな可愛いのに、変な男に引っかかっちゃたんだね」
そもそも、「元彼に大事にされていなかった」なんて口が裂けても言わないほうがいいと思う。
なぜならばプライドなのか、無駄な戦闘心なのか…。前の彼氏も含めて他の男に大事にされ、愛されてきた人のほうが自分も負けじと大事にしようと思うから。
家族の話などで盛り上がるなか、僕は真凜と今後どうしようかなと考える。可愛いし綺麗だし、お互い独身でフリーだ。
「鉄平さんって、今彼女さんとかいらっしゃらないんですか?」
だから真凜に恋人の話を振られた時、僕は素直に自分の現状を話した。
「うん、いないよ。実は数ヶ月前に、婚約破棄したばかりでさ…」
「え!?そうなんですか?」
「まぁそんなこともあるよね。だから今は誰もいないよ」
「その元婚約者の方、見る目がないですね。こんなに素敵な人なのに」
「真凜ちゃんって、優しくていい子だね」
そう、彼女は優しくていい子だ。
「真凜ちゃんが聞き上手だから、つい話しちゃった」
「私で良ければ、いつでも聞きます」
「本当?じゃあまた誘ってもいい?」
「もちろんです♡寂しい時、いつでも呼び出してください」
そして、呼んだらいつでも来てくれる。僕の寂しい心を埋めてくれる子でもあった。
中途半端なポジションの女がやってしまった最大限のNG行為
A2:彼女でもないのに、母親への手土産とか怖すぎる。
そして二度目のデートで、僕の家へ来ることになった真凜。この日は相当酔っ払っていたせいか、僕は家へ上がってから気がついた。
前の彼女の荷物が、まだ大量に家にあることに。
― さすがにこの状況で家に上げるのは、最低だよな…。
「ん?なにこれ…」
洗面所で、呆然としている真凜を見て、僕も反省した。けれども同時に、違う感情も湧いてきた。
これが本当に、正真正銘の本命の相手だったら?僕はきっと、出かける前にすべてを片付けていたと思う。
少しでも良く思われたいし、嫌われるような要素は排除したいから。
しかし真凜とのデートに出かける前、何もしなかった自分がいる。言い方は大変悪いかもしれないけれど、心のどこかで、彼女を少し舐めている気持ちがあったのかもしれない。
「違う違う!これは前の彼女の物なんだ。『取りに来て』って言っているんだけど、なかなか来なくてさ…」
「前に話してた婚約者の人?」
「そうそう。3年も一緒に住んでいたから、意外に物が多くて」
さらに僕が「ん??」と思ったのは、真凜のこの言葉だった。
「そうだったんだ。良かった〜。私以外にも、他に誰か女がいるのかと思った」
― え…?僕たち、付き合っていないよね?
一緒に食事はするし、体の関係もある。けれども「付き合おう」なんて一回も言っていないし、真凜からも何も言ってこない。
真凜はもしかして僕のことをすでに彼氏だとでも思っているのだろうか。
しかし結局、この都合の良い適度な関係が半年くらい続いていた最中。僕が心底引いてしまった出来事が起こった。
それは、僕の家で夕飯を食べている時のことだった。
「ねぇ鉄平。最近、冷たくない?」
「そうかな。最近ちょっと忙しいから」
「前はもっと連絡くれたのに…。他に好きな子でもできた?」
「できてないよ。なんでそんなこと聞くの?」
「だって、気になるから…」
― いや、だから。彼女じゃないよね?
そろそろハッキリさせないとなぁと思った時。真凜が、おもむろに何かを取り出した。
「そうだ!来週、名古屋からお母様来るって言ってたよね?これ良ければ…」
「なに、これ?」
「私からの手土産」
そう言って、笑顔で真凜から手渡されたのは、老舗店の和菓子だった。
― お、重い…。
最中にずっしり入った、餡子の重みもあるだろう。けれどもそれ以上に、真凜の言動が重すぎる。
「え〜ありがとう。でもまだ会ったこともないうちのオカンに、気を使わなくてもいいのに…」
彼女でもないのに、僕の母親へ手土産を用意するという行為。これを喜ぶ男が、世の中にいるのだろうか。
「こういうのは、大事だから。私も本当はご挨拶に伺いたかったけど、親子水入らずのほうがいいでしょ?」
当たり前である。
「まぁそうだね。真凜って、育ちの良さがにじみ出ているよね」
「そうかな。当たり前のことをしているだけだよ」
― それが、マジで怖いから。
結婚したい気持ちはわかるし、焦っているのかもしれない。しかしここまで重いと、男は引くだろう。
そして何より、相手の気持ちを無視してグイグイと押し付けてくる行為は相手を喜ばせるどころか、むしろげんなりさせるだけだと思う。
▶【Q】はこちら:相手のお母様へ持参した手土産。しかしその後彼が冷たくなった…。女がやっていたNG言動は?
▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟
▶NEXT:5月28日 土曜更新予定
失ってからその大切さに気づく男の愚かさ