Excel時短のコツ! 合計をSUM関数よりも手早く出す方法

写真拡大 (全9枚)

Excelは、PCでもっとも頻繁に使うアプリの1つだ。
仕事では分野を問わず必須のアプリとして君臨しているし、個人的にも日々の支出や収入を記録したり、持っている物のリストを作ったり、あるいはカレンダーのように使ってみたり、工夫次第でいろいろなことができる。

Excelは「表計算アプリ」と言われるように、表に文字や数字を入力して計算するアプリであることはすでに誰もが知るところだ。高度な機能を持つにも関わらず、根本的な構造が「表のマス目」と単純で、工夫次第でいろいろできる。

さて、ではExcelでもっとも利用しそうな作業はなんだろうか。
おそらく「合計を求める」ことではないだろうか。

実際にExcelを習うときにも、合計を求める「SUM関数」は最初の方に出てくる。画面にもSUM関数はアイコンが用意されている。表に数値を入れるデータを作るときには、だいたい合計を求める作業が発生する。


Excelでもっとも使うであろう「合計の計算」。「合計」の行を作り、SUM関数を入力する方法が一般的だが……。



●合計の方法その1 テーブルで合計行を表示する
SUM関数なら、Excelを多少使っていれば誰でもわかる。一度は使ったこともあるだろう。

その方法は、
表の合計を求めるセルをクリックして、[Σ]をクリック、範囲を選択して……。
合計が表示されたら、入力した関数をオートフィルでコピーする。

確かに、それほど難しい作業ではない。ただ、関数の範囲を指定したりオートフィルでコピーしたり、データが多くなったりいくつもの表を扱うときには意外と面倒に感じるものだ。

合計を求めるだけであれば、もっと簡単な方法がある。

まずは表を「テーブル」にする。


表を選択して[挿入]タブの[テーブル]をクリック。



[先頭行をテーブルの見出しとして使用する]をチェックして[OK]をクリック。



表がテーブルに変換される。


これで表が「テーブル」という高機能なデータベースにアップグレードされる。
実はこのテーブル、見出しごとにデータを抽出できたり、詳細に並べ替えたりと、なかなかできることが多い。テーブルの活用法についてはいずれ機会を改めるとして、ここでは合計を求めてみよう。


[テーブルデザイン]タブの[集計行]をチェックする。


操作はこれだけである。
チェックをオンにすると、表の右下に合計値が表示される。さらに、同じ行の他のセルにも合計を表示したければ、セルをクリックするとプルダウンボタンが表示されるので、[合計]を選択する。


集計行には合計のほか、さまざまな値を表示できる。


やってみれば気付くのだが、集計行には合計以外にもさまざまな集計値を表示できる。
もしSUM関数で入力していた行で、今度は平均値を求めたいといったような場合、関数を書き換える必要はない。プルダウンボタンから選択するだけで完了するのだ。

なお、「テーブル」から元の表に戻したいときは、テーブルの中のセルを選択して、[テーブルデザイン]タブの[範囲に変換する]をクリックすればいい。


●合計の方法その2 ステータスバーに表示する
もう1つ、もっと簡単に合計を表示する方法を紹介しよう。今度は、「とりあえず合計はいくつか知りたい」といったときに役立つ方法で、表には合計を表示しない。

合計したい値を範囲で選択してみよう。すると、ステータスバーに合計が表示される。


範囲を選択するだけで、ステータスバーに合計値が表示される。


これだけの単純な機能なのだが、気付いている人が実は少ない。

この機能は、ステータスバーを右クリックして表示する値や項目を設定できる。
もし合計が表示されていなかったら、[合計]をクリックしてオンにすると、表示されるようになる。
また、範囲を選択してからステータスバーを右クリックすると、表示される項目のリストにも、そのときの値が表示される。普段ステータスバーに表示していない項目の値も確認できるので、たまにしか必要にならない値の確認に便利だ。


範囲を選択してステータスバーを右クリックすると、平均や最小値など、選択範囲のさまざまな集計値を表示できる。


表の値を集計する機会は多い。特に合計は頻繁に必要になる。
ただ、表に入力する必要があるのか、あるいはとりあえず確認だけしたいのか、場面によって使い分けるとより効率よく使えるようになるだろう。




執筆 八木重和