イタリア、セリエAの不正スキャンダルを巡り、ユベントス、フィオレンティーナ、ラツィオの3クラブに対しセリエB降格の裁定が言い渡されたことで、プレミアリーグのトップクラブが動きを活発化させている。

 今オフにストライカーと守備的MFの獲得を狙う、マンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン監督。今回の裁定に関し、「処分を受けるクラブは、選手をレンタルで放出し、セリエAに昇格した時点で呼び戻す可能性もあるだろう。獲得できる選手が誰になるかを見極める必要がある」と、状況を静観する構えをみせた。

 一方、リバプールのラファエル・ベニテス監督は積極的。今オフにフェルナンド・モリエンテスとジブリル・シセのFW2人を放出したベニテスは「ユベントスにはいい選手が揃っている。しかも、3ヶ月前よりかなり安く獲得できるだろう。レンタルも可能かもしれない。トレゼゲなどは是非欲しい選手だ」とコメント。ズラタン・イブラヒモビッチも候補に挙げるなど、FW獲得を最優先に動くようだ。

 王者チェルシーは、ユベントスのファビオ・カンナバーロとジャンルカ・ザンブロッタを巡り、レアル・マドリーと争奪戦を繰り広げそうだ。カンナバーロ獲得については、アブラモビッチオーナーがすでに会談済みで、カンナバーロの代理人も「ファビオはアブラモビッチ氏を特別な人だと言っていた。チェルシーなら喜んで移籍を決めるはず。ユーベの裁定が決定するまで、チェルシーかレアルのどちらかに絞ることになる」とコメントしている。

 アーセナルのアーセン・ベンゲル監督は「ユベントスの選手の年俸が非常に高いことを忘れてはいけない。彼らの年俸を払えるクラブはそれほど多くはないし、我々には無理だ」と、獲得レース参入に消極的。しかし、年俸の引き下げに応じれば、元アーセナルのパトリック・ヴィエラに加え、ダビド・トレゼゲやリリアン・テュラム等の獲得に動く可能性もあると言われている。