国内女子ツアー開幕が来週に迫った。今年も「ダイキンオーキッドレディス」を皮切りに38試合が行われる。通年の出場権を持つシード選手は賞金ランキング、およびメルセデスランキング上位50位までの52人に加えて、昨季の賞金ランキング、およびメルセデスランキングの51〜55位までの5人やQTランキング38位までの主力選手100人(永久シード選手は除く)のデータをとことんチェック。今回はホールインワンをしたときの使ったクラブを調べてみた。(日本女子プロゴルフ協会のデータ参照)
■25パーセントは7番アイアンを使っていた
国内女子ツアーの過去3シーズンで生まれたホールインワンの数は80。その内訳は52試合行われた2020-21シーズンが34回、39試合行われた19年、38試合行われた18年シーズンはそれぞれ23回。おおむね1年で2試合に1回ホールインワンが出ていることになる。
80回出た中で、使用クラブが最も多かったのは7番アイアン。全体の25パーセントにあたる20回となった。21年の「パナソニックオープンレディース」でプロ初のホールインワンを遂げた原英莉花や「CAT Ladies」でホールインワン賞500万円を手にした西山ゆかりも7番アイアンでエースを達成している。
次いで8番アイアンの15回、6番アイアンの14回、5番アイアンの8回、9番アイアンの6回と、14本のクラブの真ん中辺りに集中する。9番アイアンより短いクラブはピッチングウェッジの2回のみ。
逆に長いクラブは4番アイアンが2回、ユーティリティ系は4番が4回、5番が3回、6番が2回。ウッド系は4回となっている。ちなみに1番長いクラブは、2021年「日本女子プロゴルフ選手権」の最終日に達成したユン・チェヨンの3番ウッド。実測222ヤードの8番ホールで、手前から転がり「奥に行った」と思ったボールが入ったという。グリーン上でビタっと止まる短い番手よりも、グリーンに落ちてから転がってカップに向かうクラブで操作性のいい7番アイアン近辺に集中しているようだ。
■初エースに流れに乗れた原英莉花
使用クラブが最も多かった7番アイアンでプロ初エースを達成した原英莉花は、「ガチャンと直で入りました」。パワフルなショットが武器の原らしい1打だったが、ピンを狙っていたわけではないと明かした。
「ショットがいいときはホールインワンしたいなって狙っているときもあるんですが、ショットが良くなかったので、とりあえず(グリーンに)乗せたいなって思ったショットがピン筋に行って、ガチャンとなりました」と話している。
会心のショットで「ショットへの不安が払われたというか流れよく、(その後は)スイングに集中できました」と、その後のホールでバーディを量産して優勝戦線に浮上。いいきっかけになる1打となった。
また、2021年「TOTOジャパンクラシック」の最終日に、ピッチングウェッジで人生初のホールインワンを達成した葭葉ルミ。「調子が悪いと曲がるのでピンを向けません。しっかりピンを向いて真っすぐ飛んだので良かった」と、ホールインワンは自信になると話した。
■渋野日向子は「ホールイワンを達成したくない」
やはりプロにとってホールインワンは“いい薬”になるかと思われたが、違う意見の選手もいる。2020年「樋口久子 三菱電機レディス」の初日の8番ホール。8番アイアンで放ったボールがカップに吸い込まれプロ2回目のエースを達成した渋野日向子。しかし、その後のホールでボギーが増え、予選落ちにつながった。「アマチュア時代に3回、プロで2回、試合でやっているけど全部予選落ちでいいことない」とホールインワンは縁起が悪いという。
翌年の同大会では「8番は嫌な思い出として残っています。ホールインワンはしたくない」と笑いながら話したが、初日の8番ホールのティショットはピンに向かって飛んでいったが、「『入れ』とは思わなかった。『やめて』と思いました(笑)」。渋野の願いが通じたのかボールは1メートル手前で止まり、胸をなでおろした。それが吉兆だったのか、最終日最終ホールでイーグルを奪って2打ビハインドのペ・ソンウに追いつき、プレーオフを制して通算6勝目を挙げた。
ホールインワンといっても選手によっては、よくも悪くもなるようだ。

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