飯沼愛 撮影:加藤春日

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田辺エージェンシー・秋元康・TBSがタッグを組み未来の女優をプロデュースする『TBSスター育成プロジェクト「私が女優になる日_」』。約9000人の応募者の中から1位に選ばれ、見事ドラマ『この初恋はフィクションです』(TBS)の主演の座を掴んだのは、香川県出身の18歳、飯沼愛(いいぬま・あい)さんだった。オーディションを受けるまで演技経験はなし。いま、女優としての道を歩き始めた彼女に話を聞いた。

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――飯沼さんは昨年『TBSスター育成プロジェクト 私が女優になる日_』の演技バトルで1位となり、連続ドラマ『この初恋はフィクションです』(TBS/昨年10〜12月放送)に主演。この1年間で人生が大きく変わったのでは?



飯沼 はい、1年前はこんな未来が来ることをまったく想像していませんでした。「女優になりたい」と言ったからといって簡単にできるお仕事ではないと思っていたので。去年は貴重な経験をたくさんさせていただき、幸せな1年だったなと思います。

――演技バトルでの堂々とした姿が印象的だったのですが、まったく演技経験がないと聞いて驚きました。



飯沼 演技に関しては、最初は物まねみたいな感じでやっていました。ただ、恥ずかしがっていたら見ている人も恥ずかしい気持ちになるだろうなと思ったので、「自信を持ってお芝居をやり切る」というところはすごく意識しました。緊張しましたけど私はそれがあまり表に出ないタイプなので、そこは良かったのかもしれません。昔から「本番に強いタイプだよね」と言われたりもしていたので。

――どういう場面で「本番に強い」と言われていたんですか?



飯沼 印象に残っているのは体育祭のリレーですね。緊張して「無理だ無理だ」って言いながらもいざ走るといい結果を残す、みたいな(笑)。この性格は演技バトルでも生かされたのかなと思います。

――演技バトルを勝ち抜く自信はありましたか?



飯沼 いえ、まったくなかったです。演技バトルに挑む10人に残るどころか、そもそも第一次審査に通るとも思っていなかったので驚きの連続でした。

――テレビに出演するようになり、周囲の反響も大きいのでは?



飯沼 クラスメイトから「すごいね、応援してるよ」と言われたり、友達から「後輩がサイン欲しいって言ってるからお願い!」と頼まれたり。あと最近は「写真撮らせてください」と声を掛けられることもあります。

――親御さんはどんな反応ですか?



飯沼 両親は私が掲載された雑誌を毎回買ってくれたり新聞を友達に配ったり、応援してくれています。でも最初は「うわ〜、愛がテレビに出てる!」って感じだったんですけど、最近は「愛がテレビに出ているのが当たり前だと思っている自分が怖い」と言っていましたね(笑)。父はドラマ全40話をすべて深夜にリアルタイムで見てくれて、しかも毎回感想をくれていたんです。「泉ちゃん(飯沼が演じた役)、すごく良くなっているよ」って言ってくれたりしてうれしかったです。母からは「たまに足が開いているから閉じなさい」と注意されたりします(苦笑)。

――ドラマに主演されましたが、振り返ってみていかがでしたか?



飯沼 本当に光栄です。この作品に関われて幸せだなと思いますし、自分の中で大きな宝物ができました。ただ、オンエアを見るとどうしても自分の演技の粗探しをしちゃって……。でもこの反省を次につなげていきたいと思っています。

――演技において、どんな課題が見つかりましたか?



飯沼 まずは、滑舌が悪いので直すこと。あと、ドラマ撮影中によく「目や表情が固まるのがもったいない」と監督からアドバイスをいただいて。そのときは「固まる」の意味が分からなかったんですけど、改めてオンエアを見て、他のドラマと見比べてみて「そういうことか!」と理解できました。次はもっと効果的に動かしたり、表情の引き出しを増やしていきたいなと思いました。

――また、『私が女優になる日_』の新企画「ナリキリ!」ではドッキリの仕掛け人にも挑戦。飯沼さんは、カレー店の娘にナリキリ、さすがの演技力でジェラードン・アタック西本さんに激臭カレーを食べさせることに成功しました。



飯沼 ドラマとはまったく違うお芝居だったので、リハーサルの時からずっと不安で緊張していました。何より「笑っちゃいけない」っていうのが一番大変! 私が西本さんに謝りに行くシーンがあったんですけど、そのとき西本さんがパンツ1枚だったんです(笑)。でもそれを見て笑っちゃうとドッキリだとバレちゃうので我慢して。あと、西本さんがカレーを食べてえずいている場面でも、私は父親役の方の後ろに隠れたりしてバレないように必死でした。結果的にドッキリが成功したのは良かったんですけど、「ドッキリ企画を成立させるのってこんなに大変なんだ」と感じましたね。カメラマンさんやスタッフさんもきっと笑いを我慢しているんだろうな、って。

――では、飯沼さんの今後の夢や目標などを聞かせてください。



飯沼 今はとにかくたくさん経験を積んでいきたいです。いただいたお仕事を一つ一つ丁寧に真面目に取り組んでいこうと思っていますし、お仕事で出会う方々との出会いも大切にしたいです。大きな夢としては、いつか朝ドラや大河ドラマに出演したいです!

――ところで、飯沼さんは香川県出身なんですよね。



飯沼 はい。香川は自然も多く、安くておいしいうどん屋さんもいっぱいあって住みやすい街です! ただ、この春からは上京して1人暮らしを始める予定なんです。

――上京を間近に控えて、期待と不安、どちらが大きいですか?



飯沼 期待のほうがかなり大きいです。上京が楽しみすぎて、東京のスイーツカフェの本を買いました! 最近ちょっとずつ渋谷とか新宿とか東京の地理が分かってきたので、「ここ行けそうだな。食べに行きたいな」なんて考えながらウキウキしています(笑)。

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