北海道産ジャガイモを使ったフライドポテト(フレッシュネス提供)

写真拡大

 新型コロナウイルス禍による世界的な物流の混乱で、フライドポテト用のジャガイモ加工品の輸入が遅れ、影響が広がっている。日本マクドナルドなどは輸入原料を使ったポテト商品の販売を休止した。国産使用を打ち出す企業も一部あるが、大口取引が中心で、調達先を輸入から切り替える動きは限定的だ。

 米国とカナダ産を原料に使う日本マクドナルドは、輸入遅れにより昨年末、Sサイズだけ販売した。船便が経由するカナダのバンクーバー港近郊の水害やコロナ禍の物流の混乱が理由。悪天候などでさらに遅延が生じ、1月9日から再び、国内約2900の全店舗でM、Lサイズの販売を休止した。

 ハンバーグレストラン「びっくりドンキー」を展開するアレフ(札幌市)も21年12月から、欧州からの輸入原料を使うフライドポテト5商品の販売を一部店舗で休止。コンテナ船の入港遅れが解消せず、1月14日から全338店舗で販売休止にした。

 一方、国産を使って攻勢をかけるのは、フレッシュネス(横浜市)が展開する「フレッシュネスバーガー」。今月14日から、北海道産「ホッカイコガネ」を使うフライドポテトを25%増量した。「ポテトを食べられず悲しんでいる人に、国産のおいしさを知ってもらいたい」(マーケティング本部)とアピールする。

 同社は創業時から国産を使う。北海道芽室町の契約農場から調達する「ホッカイコガネ」は、フライドポテトに向く細長い形で、皮付きで揚げて外はさっくり、中はホクホクのおいしさを強調する。

 フライドポテト用のジャガイモはロットが大きく、外食企業は安定調達ができる海外で生産から加工まで契約的な取引をしている。物流の混乱で調達先を国内に変えるのは難しい状況だ。