アーセナルDF冨安健洋【写真:Getty Images】

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「ジャッジリプレイ」の番外編で物議となったアーセナル冨安への顔面踏みつけ行為を検証

 DAZNの「Jリーグジャッジリプレイ」の番外編、「ワールドサッカージャッジリプレイ」の第1回が12月14日に配信された。

 今回は話題となったアーセナルで活躍するDF冨安健洋の“顔面踏まれ”被害について、識者も持論を展開している。

 問題となったのは現地時間6日に行われたプレミアリーグ第15節、エバートン対アーセナル(2-1)の前半28分過ぎのワンシーンだ。冨安がタッチライン際での競り合いでピッチに倒れた直後、エバートンDFベン・ゴッドフリーに右足で顔面を踏まれる格好に。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)によるレッドカードの可能性のチェックが入るも、オンフィールドレビューの介入はなく、処分はなかった。

 このシーンについては現地でも様々な意見が噴出。元イングランド代表DFギャリー・ネビル氏が「100%、故意のファールだった」と語れば、プレミアリーグの元レフェリー・ダーモット・ギャラガー氏は「私にとってはノーですが、イエス(レッドカード)だと言う人は多いでしょう」と話している。

「ワールドサッカージャッジリプレイ」でも、まずはゲストとして出演した京都サンガF.C.の者貴裁監督が「近くにいた審判(副審・第4審)が見れるんじゃないかというシーンなんですけど、なんで見れなかったのか」と現場にいた審判団への疑問を呈した。

 それに対し、Jリーグ副理事長の原博実氏は「足をひっこめたように見える」として「故意で踏みつけたようには見えない」とゴッドフリーのプレーの“悪意性”を否定している。

 一方で、FIFA・AFC・JFA審判インストラクターを務める深野悦子氏は、「非常に迷う」と前置きした上で「意図的か、意図的でないかはどっちもありうると思う」と持論を展開。

「踏みつけたかというと踏みつけには行かなかった。ちょっと避ける仕草もあったので、最悪のところを彼(ゴッドフリー)は回避したと思えばレッドカードじゃないという意見も支持はでき、今もどっち(の判定)もあるなと悩んでいます」

 その上で、この事象の判定の基準については、“意図があったかどうか”よりも「接触部位」や「スピード」、「強さ」が重要になると深野氏は主張していた。

「VARが介入しなかったのも分かる」とレフェリーの判定に理解

 また、者監督が指摘した“副審・第4審が事象を見れた可能性”については「第4審判には(判定が)わかっていて欲しかった」と同じく苦言を呈している。

 その後、どっちの判定も支持できるという深野氏の意見に対し、者監督は「(意図がなかったとしても)結果的に顔に入っていたらレッドじゃないの? 相手の監督だったら納得いかないと思う」と持論を展開したが、深野氏は「力を(顔に)かけなかったというのがある」と主張。「完全に力を入れると膝が伸びていたりする」と事象の細部までVARが確認していたのではと推測している。

 結論として、深野氏は「どっちの判定もあるし、VARが介入しなかったのも分かる」とレフェリーの判定に理解を示す形となった。(Football ZONE web編集部)