大谷効果? ダルビッシュ「疑惑の目」払拭8勝目!

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 これも「大谷効果」か。

 パドレス・ダルビッシュ有投手(35)が8日エンゼルス戦に先発し、6回3安打1失点で8勝目(9敗)を挙げた。防御率は3.95。DH制がないナ・リーグ本拠地のため代打待機していた大谷翔平投手(27)は出場せず、注目の初対決は実現しなかった。

 自己ワースト7連敗中だったダルビッシュにしてみれば、日本ハム時代の後輩の前で情けない姿を見せるわけにはいかなかった。2回に大量8得点の援護もあり、6回で7奪三振。キレのある投球で6月21日以来の勝利を挙げ、復活のきざしを見せた。

 勝てなくなったダルビッシュに、疑惑の目が向けられていた。メジャーでは一部投手が粘着性の高い物質を指につけての不正投球が問題視され、6月から取り締まり強化が始まった。投球時に検査が行われるようになってから、ダルビッシュの調子が下降した。

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 成績を比較してみると、開幕から14試合は6勝2敗、防御率2.57。規制が強化された6月21日以降、11試合で1勝7敗、防御率6.27。ルール導入前後では別人のような成績で、粘着物質が影響しているのではないかという声がSNSで広がっていた。

 背景には、ダルビッシュが粘着物質禁止ルールに異論を唱えていることもあった。ルール適用前に自身のツイッターで「ボールに問題があると大リーグ機構はわかっているのに、ずっと滑りまくるボールを提供してくる。ボールを代えるのが先」「投手がSOSを出した時は何もしてくれない。打者が打てなくなったら、これ。フェアじゃない」などと指摘していた。

 2カ月半も遠ざかっていた白星をつかんだダルビッシュは試合後のインタビューで「今日は自由に投げることができて感覚も良かった。いままで何も考えずに投げたことがなかったんですけど、今日は自分の感覚に任せて投げた。(今後は)今日の感覚を保って、自分の投げたいようにというか、脳が投げたいように自由に投げさせたい」と話した。

 残りシーズン、粘着物質との関連を払拭(ふっしょく)するような投球を続けていくしかない。対決は実現しなかったものの、相手ベンチから熱視線を送った大谷の存在が復調のきっかけとなったかもしれない。


[文/構成:ココカラネクスト編集部]