ITライター・山口真弘の気になるグッズラボ 
〜ルートアール「RT-TC5VABK」レビュー


2021年08月17日
TEXT:山口真弘(ITライター)

USB Type-Cで接続するデバイスが増えてきた現在、ひとつ持っておくと便利なのが、USB Type-C経由でどれだけの電力が供給されているかを確かめられるチェッカーです。

これがあれば、きちんと給電されているかどうかもちろんのこと、USB PDによる急速充電が行われているかどうか、また具体的にどれだけの電力が供給されているかもリアルタイムでわかります。

今回は、そうした製品の一つ、ルートアールのUSB Type-Cチェッカー「RT-TC5VABK」を紹介します。


珍しいケーブル直結タイプ。ケーブル長は約10cm。画面の上下反転はできません


日本語の取扱説明書が付属します。この種の製品ではかなり親切な部類です

こうしたチェッカーには、USB Type-Cポートに直結する製品が多いのですが、ポートの周辺と干渉して差し込みにくいことも多いほか、画面の向きを変えられず、目視で読み取りにくいこともしばしばです。

その点、今回のルートアールの製品は、直結したショートケーブルを差し込む構造になっているので、狭いところにあるUSB Type-Cポートにも差し込みやすいのはもちろん、画面を手元に向けることで、情報をもれなく読み取れます。

こうした仕様は、国内で販売されているUSB Type-Cチェッカーとしては非常にレアで、本製品ならではの強みとなっています。


USB Type-Cポートは充電器側、デバイス側、どちらに差し込んでも機能します


接続するケーブルは、一端がUSB Type-CであればLightningケーブルなども対応します

使い方は、充電器とデバイスをつないでいるUSB Type-Cケーブルの間に、本製品を割り込ませるだけ。電圧(V)や電流(A)、電力(W)ほか、通電方向、通電時間、積算電流、内部温度までも、ひとつの画面に表示されます。

この中で主に必要となるのは電圧(V)、電流(A)でしょう。一般的に、電圧が9Vを超えていれば、USB PDによる急速充電が行われていると見て間違いありません。iPhoneのように、本体だけでは急速充電が行われているか判別できないデバイスであっても、本製品の画面で情報を見れば、それらが判別できるというわけです。

逆に、電圧が5V前後のまま、電流もつねに3A未満であれば、それはUSB PDに対応していないデバイスだと見なすことができます。ちなみに現行のUSB PDの最大値である、電圧20V/電流5Aまでの測定が可能です。

また、給電が行われている方向も表示できます。USB Type-Cデバイスでは、接続の仕方によって給電の向きが入れ替わることがありますが、それらが原因で意図しない動きになることもしばしばです。本製品を使えば、それらおかしな挙動についてもチェックできます。


こうしたチェッカーとしては珍しく、供給される電力(W)よりも、電流(A)や、電圧(V)が強調して表示されます。ちなみに矢印の向きは給電が行われている方向を表しています


電圧(V)が15V近くに達していることから、USB PDによる急速充電が行われていることが分かります。なお上部のボタン2度押しでレイアウトを変更できますが、あまり役に立ちません

本来、コネクタの表裏をなくすなど、使いやすさを重視したUSB Type-Cにおいて、このような外部のツールを使わなくては素性をチェックできないというのは、本末転倒も甚だしいのですが、そう言いたいところグッとこらえて、手元にひとつ持っておくと、USB Type-C搭載デバイスが増えつつある現在、何かと重宝します。

充電器側とデバイス側、どちらに差し込んでも測定できるので、Lightning接続やmicroB接続のデバイスにも(ケーブルの片方がUSB Type-Cであれば)利用できます。使いやすくて見やすく、かつ安価に入手できるUSB Type-C対応のチェッカーを探している人に、オススメしたい逸品です。


パッケージは簡易タイプ。なお本製品と同じ機能を持ったケーブルレスタイプもラインナップされています

製品名:RT-TC5VABK
実売価格:3,480円
発売元:ルートアール
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B095RJYT39/

[筆者プロフィール]
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn